採血の痛みを軽減する方法と採血後の注意点まとめ
採血や注射で痛いと言われてしまうと、気になってしまいますよね。採血に慣れないうちは、慎重に穿刺したくなりますが、かえって痛くなることもあります。
採血の痛みを軽減する刺し方のコツや、患者さんにリラックスしてもらう方法、それから採血をした後の処理についてまとめてみました。
刺し方のコツ
すばやく刺すと、痛みが軽減できます。人間が痛みを感じるのは、痛覚のある痛点を刺激するためです。
痛点は皮膚の表面と血管壁に多いので、そこを刺すときは皮膚を伸展させて一気にさすと痛みを感じにくくなります。
それから、採血中に注射針がブレると、皮膚の表面や血管壁を刺激して痛いので、針を刺すときには穿刺部の手前の皮膚を軽く引いて血管が動かないようにし、刺した後も針が動かないようにしっかり固定します。
刺入部の周囲を強く圧迫したりすることで痛みを感じる感覚が抑制され、痛みが感じにくくなるという理論があり、この理論はゲートコントロール説と呼ばれています。こちらも参考にしたいですね。
血液を吸引する時間が長いと血液が凝固して、凝固系の検査値に影響が出るので、その意味でも素早く手際よく行うことが大切です。
声掛けでリラックス
自分が採血や注射をしてもらう時に、看護師さんに「チクッとしますよー」などと声をかけてもらったことはありませんか?
このように声をかけてもらうと、心構えができて、思ったより痛みを軽く感じる効果があります。痛みは精神的な物に由来する場合も多く、深呼吸を行うことで和らぐ場合もあります。
苦手そうな患者さんや子供さんには、不安な気持ちをほぐしてあげるような声掛けが大切ですね。
一度休むことも大切
血管の見えにくい患者さんの場合、採血ができるまで時間がかかったり、失敗したりすることもあります。失敗したら1回止めてしばらく時間をおいて採決を行います。
駆血帯を長時間していると、青くなったりしびれたりして、患者さんに無用の負担をかけることになります。また、駆血時間が長くなると、血液の性状が変化し、検査値に影響する可能性もあります。
やり直すとき、同じ腕を使用する場合には、1回目に失敗した穿刺部位の止血もきちんと確認するようにしましょう。
血管が細い場合には、翼状針を使うとやりやすくなります。翼が付いていて持ちやすく、浅く刺すことができます。手の甲などの細い血管でも刺しやすいので、こちらも扱えるようにしましょう。
採血後の注意点
血液を容器に移しかえる時は。あまり勢いよく注射器から押し出すと溶血することがあります。
溶血とは、赤血球膜が変性したり、破壊されたりして、ヘモグロビンが遊離することです。真空採血管に針を刺し、自然吸引に任せてゆっくりと血液を注入するようにします。
採血する時に注射器を速く引きすぎたり、真空管に入った血液を勢いよく混和したりすることも、溶血の原因になるためやめましょう。
容器にはあらかじめラベルを貼っておき、採取した血液は速やかに検査室に届けます。検査項目によっては、常温に放置すると変化するため、保管・運搬時に冷却が必要なものもあります。
採血後は適切な保管方法を選び、できるだけ早く届けることが大切です。
最後に
いかがでしたか?採血の痛みを軽減するコツと後処理についてまとめてみました。
患者さんに必要以上の苦痛を与えないよう素早く採血するためには、事前の準備や手順の確認が欠かせません。
また、せっかく採血した血液が変質して検査値に影響が出ないよう、適切な後処理をすることを心がけましょう。