看護学生の実習に協力してくれない患者さんへの対策とは

実習指導者が困る場面、看護学生の実習に協力してくれない患者さんへの対策とは

看護学生の実習指導を担当するのは、臨地実習先の看護師です。看護学生の実習を担当する看護師を実習指導者、としましょう。

看護学生が分からないこと、出来ることを自覚し、看護の対象となる人や家族に対する看護師の役割を把握できるようになるためにサポートしていくのが実習指導者の役割です。

実習指導者が困った、と感じるのはどんな場面でしょうか。困ったことにどのような対策をとればよいのでしょうか。考えてみましょう。

実習指導者が困る場面は、患者さんに協力してもらえない時

医療を受ける人、すなわち国民が、十分で的確な看護を受けられるようになるためには、看護師の養成が不可欠です。

看護学生は実践の場で、看護の対象となる人に接し、看護問題を解決する過程と看護技術を体験することで学びを得ていきます。そのため、看護学生を受け入れる実習病院の患者さんは、看護学生の実習に協力する義務があると言えます。

実習指導者が困る場面は、看護学生の受け持ちとして最適な患者さんをチョイスしたにもかかわらず。患者さんに「嫌だ」と断られてしまうときです。

例えば、患者さんの清拭を体験させたいと考え、患者さんに了解を得ようとしても「庄勢やってもらえるならプロの看護師が良い、素人は嫌だ」と断られることも少なくありません。実習指導者は、他の患者さんを探して了承を得るために奔走します。大変な労力なのです。

看護学生の実習に協力してもらうための、実習指導者の対策は

サービスを受ける立場の患者さんの中には「学生と関わるのは面倒くさい」「看護師さんだけでいい」と看護学生の関わりを拒否する場合があります。具体的には、看護学生の受け持ちを拒否される、等です。

もちろん、無理強いはできません。しかし、実習指導者は、看護学生の育成のために協力してもらいたいという思いを、患者さんに粘り強く伝えていく必要があります。

看護学生の実習に協力してもらうための対策は、ポイントを押さえて説明することです。次に説明のポイントを挙げていきます。

実習に協力してもらうために、実習指導者が患者さんに説明するポイント

実習指導者が患者さんに説明するポイントです。

・次世代の看護師を育成するためには、実習が欠かせない。学生を育てるお手伝いをしてもらえないだろうか。

・看護学生の未熟な技術で不利益を与えるようなことはない。実習指導者のチェックなしにケアを行うことはないので安心してほしい。

・私も看護学生時代は実習で学ばせて頂いた、とても感謝している。どんなしっかりした看護師にも看護学生時代があり、実習を通して患者さんから学ばせて頂き成長する。

あくまでも患者さんに「お願いする」という姿勢を貫きます。看護学生時代の臨地実習は、次世代の看護師育成に不可欠、ということをアピールしていきます。

実習で体験した患者さんとの関係、病院スタッフとの関係は、社会人として看護師としてどうふるまうか、という学びにつながっていきます。人としてどう考え、どう振舞うかは実習という体験を通して身に着けていきます。

看護学生に否定的な患者さんはどうすればいいのか

看護学生が実習期間受け持つことをしぶしぶ領してくれた患者さん。実習指導者は、ホッとします。しかし、困ったことはここで終わりではありません。

残念ながら、看護学生の関わりに否定的な態度、つっけんどんな態度を取る患者さんも存在します。看護学生は緊張しながら実習に臨んでいます。

患者さんから突き放す態度をされて、「それも良い体験」「人間関係を学べる」と言われるかもしれませんが、看護学生が少しも傷つかないはずがありません。

患者さんにも言い分があるかもしれません。「体調が悪いし、病気のことが心配なのに看護学生の相手までできない」「あれこれ話しかけられると、イライラする、ストレスが溜まる」などです。

しかし、患者さんの態度があまりにヒドいと、実習を続ける気力を無くしてしまうこともあります。看護学生に否定的過ぎると実習指導者が判断した患者さんは、受け持ちを外すことを考えましょう。それが、最良の対応となることが多いです。

まとめ

いかがでしたか。看護学生の実習指導者が困ることの一つ「実習指導者が困る場面は、患者さんに協力してもらえない時」です。

患者さんは病気への不安、身体的な苦痛、療養のストレスによって、看護学生を受け入れる余裕がないこともあります。

しかし、実習無くして看護師の養成は不可能といえます。実習指導者は、ポイントを押さえた説明で、患者さんの協力を得られるようにしましょう。


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