一般用輸液セットと小児用輸液セットの違いと使い分け

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一般用輸液セットと小児用輸液セットの違いと使い分け

輸液セットとは点滴を滴下するためのルートです。一本ずつ滅菌されてパックされており、再滅菌不可の単回使用となっています。

輸液セットの種類は、1mlを投与するのに20滴の一般用輸液セット(成人用輸液セット)、1mlを投与するのに60滴の小児用輸液セット(微量輸液セット)があります。1mlを滴下するのに何滴か、は輸液セットのパッケージに明記されています。

この他には、輸液用輸液セット、血小板剤製剤投与用輸液セットなど特殊なものもありますがここでは触れません。

一般用輸液セットと、小児用輸液セットはどのように使い分けたらいいのでしょうか?看護の疑問、解決していきましょう。

基礎知識、一般用輸液セットと小児用輸液セットの違いとは

一般用輸液セットとは、簡単に言えば普通の輸液セットです。

なぜ1mlの輸液製剤を投与するのに何滴か?という考え方が必要なのでしょうか。それは、輸液速度を計算するのに不可欠だからです。

1mlの輸液製剤を投与するのに20滴かかる一般用輸液セットは、1mlの輸液製剤を投与するのに60滴の輸液セットと比較すれば、1滴の大きさが3倍になるということを表しています。

仮に同じ500mlの点滴を、一般用輸液セット、小児用輸液セットの両方で1分間に60滴で投与したとします。結果として、小児用輸液セットの方が3倍の時間がかかることになります。

この基本を踏まえて次に進みます。

小児用輸液セットは、小児に使うものという先入観は捨てよう

小児用輸液セットは、微量輸液セットとも呼ばれています。決して小児だけに使用する輸液セットではありません。以下の場合に使用します。

  • ゆっくり点滴を投与したいとき
  • 微量で効果を発揮する薬剤を投与するとき
  • 時間当たりの輸液量を厳密に管理したいとき

小児用輸液セットは子供用、という先入観を捨てましょう。

小児用輸液セット使用、ゆっくり点滴を投与したいときとは

例えば、500mlの点滴ボトルを12時間の持続点滴する指示が出たとします。かなりゆっくりのペースですね。

この場合、1時間に投与する点滴の量は、500ml÷12時間=約42mlです。小児用輸液セットは1ml=60滴ですから、1分間に42滴のペースで滴下すれば良いわけです。

これを一般用輸液セットで投与する場合、どうなるでしょうか。1時間当たりの投与量42ml÷3(一般用輸液セットの一滴は小児用輸液セットの3倍)=14で、1分間に14滴、4.2秒に1滴という滴下数の計算になります。
はっきり言って、一般用輸液セットでは滴下数は合わせにくいです。

患者さんの体動によって滴下数が変化した場合、「予定外に早く落ちすぎてしまった」ということが起こりやすくなるのです。

小児用輸液セット使用、微量で効果を発揮する薬剤を投与するときとは

急速投与すると副作用が大きい薬剤投与です。利尿剤、降圧剤、不整脈の薬などです。薬剤投与の指示で確認すべきことは、投与経路、組成、投与速度です。

例えば、不整脈が出ている患者さんに「生食100mlにワソラン1A、20分で投与」という指示が出たとしましょう。

輸液のトータル量が102mlになりますので、静脈注射で20分かけて手でゆっくり入れるのは無理ですから、点滴投与することになります。

このような場合に小児用輸液セットを使用するのが適切と言えます。

小児用輸液セット使用、時間当たりの輸液量を厳密に管理したいときとは

輸液量を長時間、一定に保ちたい場合を指します。

心機能が悪く、時間当たりの輸液量に制限がある患者さんは、短時間に輸液製剤が体内に入り過ぎると心不全を起こします。腎機能が極めて悪い患者さんも同様です。

いずれの場合も、1時間に〇ml、という意思の指示を厳密に守る必要があります。小児用輸液セットは、滴下数の計算がしやすいという利点があり、1時間に40ml投与という指示であれば、1分間に40滴投与のペースで滴下数を合わせれば良いということになります。

小児用輸液セットは、滴下量の計算がしやすく、1時間当たりの輸液量指示を管理しやすいということです。

一般用輸液セットと小児用輸液セット、どちらを使うか迷ったら

小児用輸液セットは、一般用輸液セットと比較して多少高価です(製造会社によって異なります)。

先に述べたポイントを踏まえて「小児用良いかも」と自分で判断しても、その判断が謝っていれば先輩看護師に「コストを考えなさい、無駄使いしないで」と注意されたり、患者さんから「点滴が落ちるのが遅すぎる」とクレームを受ける可能性があります。

どちらを使用するか迷った場合は、必ず先輩看護師か医師に確認しましょう。

小児用輸液セットを選ぶべきかどうかの判断基準は、ゆっくり投与するべき薬剤か=薬の知識、時間当たりの輸液量を厳密に管理すべきか=患者の心機能、腎機能など病態の理解が必要です。

勉強と経験の両方が必要ですので、分からないこと、迷ったことは必ず確認しましょう。

まとめ

いかがでしたか?

輸液セットについての看護の疑問、少し解消されましたか?一般用輸液セット、小児用輸液セットのどちらを選べば良いか判断するためには、正確な指示受け、薬の知識、病態の理解が必要ということを知って頂ければ嬉しいです。


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