【予防策】飛沫感染など抑えておきたい主な4つの感染経路と対策

【予防策】飛沫感染など抑えておきたい主な4つの感染経路と対策

感染症の予防には、様々な対策が必要です。それぞれの対策の意味を十分理解して実行していないと、効果が半減したり、意味がなくなったりしてしまいます。

医療者自身が感染する恐れもあるので、しっかり覚えておきたいですね。さまざまな感染経路と、その対策をまとめました。

感染経路の種類

咳やくしゃみで口や鼻からまき散らされる粒子を吸い込んで感染することを飛沫感染といいます。風疹やインフルエンザなどの病気は飛沫感染で起こります。

これに対し、空気中に浮遊している粒子を吸い込んで感染することを空気感染といいます。飛沫感染と比較すると、広い範囲で感染します。結核・麻疹・水痘などがこれにあたります。

また、接触感染という感染経路もあります。患者さん本人を直接触るだけでなく、患者さんが触ったものを他の人が触るなどの間接的な接触でもうつるので、注意が必要です。

代表的なものに、MRSA感染症、流行性角結膜炎などがあります。経口感染は、糞便・尿・吐物などによる水系・食物・器物などを介しての感染です。コレラや赤痢などがこれにあたります。

これらの病原体を含んでいる可能性のある汚物を処理する人は、細心の注意が必要です。

血液感染は、血液を介する感染です。医療従事者の針刺し事故などで起こります。HIVや梅毒などが代表的です。

このほか、母体から胎児・新生児に感染する感染症もあり、この経路を垂直感染といいます。

飛沫感染の対策

飛沫感染の対策として最も一般的なのは、マスクの着用です。医療者もサージカルマスク(通常の医療用マスク)を着用します。

時々息苦しいからといって鼻を出してマスクを着けている人がいますが、これでは効果が十分得られません。必ず鼻まで隠すようにしましょう。

他にも、患者と他の人の間は1~2m以上開けるという対策も有効です。飛沫感染に関与する粒子は比較的大きい(5μm以上)ので、滞空時間も距離も短く、あまり遠くまでは飛びません。

1~2m離れれば感染する可能性が低くなります。これらの対策を、ドロップレットプリコーション(飛沫予防策)と呼びます。

空気感染の対策

粒子が小さい病原体は、比較的長い間浮遊し、空気感染を起こします。このため、エアボーンプリコーション(空気予防策)で予防することが必要になります。

患者さんは陰圧個室という特殊な個室を利用し、サージカルマスクを着用します。陰圧個室では、空気を外から中に流す空調を使っているので、病原体を外に出しません。

また医療者もN95マスクという、菌やウイルスを通さない特別なマスクを着用します。飛沫感染よりも感染の範囲が広くなるので、念入りに対策をします。

接触感染の対策

接触感染する感染症は、コンタクトプリコーション(接触予防策)で予防します。接触感染の感染症の患者さんは、個室または集団隔離とし、他の人が接触しないようにします。

体温計などの器具はできるだけ専用にし、共用にしないことも大切です。医療者もマスクだけでは不十分なので、入室時に手袋やガウンを着用します。

例えば大部屋に入院していた患者さんがMRSAなどの接触感染症を発症した場合は、速やかに患者さんが使用していた手すりやトイレを清拭して、他の人が触らないようにする必要があります。

最後に

病原体は様々な経路で私たちの体に侵入しようとしてきます。病原体によって侵入の経路が違い、それぞれについて予防策がまとめられているので、これらを頭に入れ、日々怠らないようにしましょう。

患者さんにも、十分理解してもらえるよう、対策やその意味などを説明できるようにしたいですね、


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