中毒症状の種類と看護師がやるべきこと

中毒症状の種類と看護師がやるべきこと

医療機関には、多くの患者さんが救急で運ばれてきます。

その中には、「中毒」と呼ばれる症状の方も多くおられますが、一口に中毒と言っても何の中毒かによって対応が分かれます。中毒症状の種類や初期治療についてまとめてみました。

中毒の種類

では、中毒にはどのようなものがあるのでしょうか。

最も身近なのは食中毒でしょうか。経験したことのある方も多いかもしれません。食べ物が原因で中毒を起こします。

腹痛や嘔吐など、自力で病院に来られる程度の症状の方が多いですが、フグ中毒による呼吸困難など強い中毒症状を引き起こすものもあります。食品アレルギーによるアナフィラキシーショックも重い中毒症状の一種です。

有毒ガス中毒は、有害な気体を吸って起こる中毒です。原因物質は一酸化炭素、硫化水素、二酸化炭素などがあります。

かつて、インターネットからの情報などにより硫化水素による自殺が急増し、近隣住民や景観が中毒症状を起こすなどの被害が出た時期がありました。このような中毒の対応の際は、医療従事者も自分の身を守る必要があります。

薬物中毒には急性と慢性があります。急性薬物中毒の多くは、自殺目的などで大量服薬することです。子どもが誤ってたばこや薬品を飲み込むような場合もあります。慢性薬物中毒は、違法薬物の使用で依存症になっている状態です。

他にも、鉛や水銀などによる金属中毒、有機溶剤中毒などがあります。有機溶剤は、油やゴム、樹脂など水に溶けない物を溶かす化合物です。

塗料やドライクリーニングの溶剤に使われており、これらを用いる職場で中毒事故が発生することが多いようです。脂溶性のため脂質の多い脳・神経に蓄積しやすく、頭痛・嘔吐などの神経症状をきたします。

まずは一時救命

原因が何であれ、まずは一時救命を行います。運ばれてきた時には意識が混濁している患者さんも多いので、循環や呼吸を確保して、急変にも対処できる態勢を整えます。

原因の特定

一時救命と並行して、原因物質の特定を進めていきます。中毒では、情報の収集が不可欠になります。中毒の原因物質によって対処が違い、用意する物品も違ってきます。

救急の連絡が入った時点で確認しましょう。原因物質によっては病院が汚染される恐れもあり、スタッフが防護しなければならなくなる場合も考えられます。

いつ、何を、どれくらい飲んだり吸ったりしたのかを把握する必要があります。救急受診時は、薬や中毒物質の空シート・空きびんも一緒に持ってきてもらうと原因の特定に役立ちます。

最後に

いかがでしたか?様々な中毒症状の種類と、初期対応についてまとめてみました。救急で運ばれてくる人も多く、重症だと意識の混濁や呼吸困難などで、原因や症状について十分に聞き取りができないこともあります。

このような時は周囲の状況や患者さんの様子からできるだけ速やかに原因を特定し、対応を決める必要があります。まずはどのような種類の中毒があるかを知っておきましょう。


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