看護師が知るべき「セカンドオピニオン」とは?病院や医師を変えることではない
セカンドオピニオンの正しい意味をご存知でしょうか?
看護師のみなさん、「そんなこと知っているのは当たり前!」言われる方が多いと思います。たくさんの病院で「セカンドオピニオン外来」が開設され、患者さんにも身近な存在となってきています。
しかし、セカンドオピニオンを申し出る患者さんも、受け入れる側も緊張感があると思います。自分の受け持ち患者さんが、他の病院にセカンドオピニオンを希望されたとしたら、動揺しないでいられるでしょうか。
この記事ではセカンドオピニオンの正しい意味を解説していきます。
受け持ち患者がセカンドオピニオンを希望、私たちは信頼されていなのか?
セカンドオピニオンを希望する動機として思い浮かぶのは、
- 「病院に不信感を持っている、もっと良い病院に行きたいから」
- 「手術を勧められたけど、受けたくないほかに方法はないのか」
- 「医師の治療方針が間違っているかもしれない」
- 「医師と合わない、病院を変えたい。受け入れてもらえるところを探す」
といった内容でしょう。
入院中の受け持ち患者さんが、他の病院にセカンドオピニオンを受けたいと申し出た場合、「何がいけなかったのだろうか」「私たちは信頼されていないのかな」と感じる看護師もいると思います。
セカンドオピニオン=病院や医師を変えること、ではないことを理解して
セカンドオピニオンは、病院や医師を変えることが目的ではありません。
患者さんは、「他の医師のセカンドオピニオンを受けたい」と申し出ることを気まずく感じていることも多く、主治医に内緒で受けることもあります。
しかし、患者さんが今の主治医から受けた治療内容や、検査結果、経過、いわゆる「診療情報」をセカンドオピニオン先の医師に提供することで適切な治療方法をアドバイスしてもらえると言えます。
「医師の診察・治療を受けている人が、主治医以外の医師に診断・治療について求める意見」がセカンドオピニオンの正しい目的です。
セカンドオピニオンを受けた結果、現在かかっている医療施設から転院した方が適切な医療を受けられると判断され、同意した場合は転院となることもあるでしょう。
しかし、セカンドオピニオンは病院、医師を変えることではないことを理解してください。
日々進歩する医療技術、最善の治療を選択するためのセカンドオピニオン
最新、最善をされている治療は、常に刷新され続けています。
医師も一人の人間です。すべての最新情報を把握することは不可能です。また、専門外のことに関してはわからないこともあります。医師が提供できる医療技術も個人差があります。
例えば、手術より侵襲が少ない最新の内視鏡治療が適切と判断された場合、その病院に内視鏡治療ができる医師が存在しない、設備がない場合は他の医療機関に患者の診察を依頼することが必要になります。
セカンドオピニオンは、最善と考えられる治療を提供するための手段と認識しましょう。
患者主体の医療、信頼関係構築のためのセカンドオピニオン
治療の選択は、人生における重要な選択です。
治療方針の決定を、医師・医療機関に任せっきりにするのではなく、患者が主体的に選択するためにセカンドオピニオンが存在するのです。
セカンドオピニオンを受けたいと、患者側から要望があった場合は、なぜ受けたいと考えたのかを十分に傾聴することが大切です。
医師と合わない、看護体制や病院への不信感が動機となっている場合は、よく話し合いを行い信頼関係構築に努力することが大切です。
まとめ
セカンドオピニオンの正しい意味を、患者・医療の両方が理解し、「最善の治療のため」という目標に向かって進んでいくことが重要です。
治療方針という、人生のターニングポイントにおいて患者が納得し、最善を尽くしたと思える選択ができるよう医師・看護師・医療者全体でサポートしていきましょう。