看護師必見!患者からのパワハラ(暴言・暴力)の実例と対策
入院・外来・在宅問わず、患者さんはいろいろな問題を抱えています。暴言・暴力のトラブルを起こす患者さんは、必ずしも若く軽症というわけではなく、時にターミナル期、高齢の場合もあります。
看護師は常に、患者からの理不尽な暴言・暴力を受ける可能性があります。明日は我が身です、暴言・暴力の実例紹介と対策について解説していきます。
ケース1:来るのが遅い!ナースコールが看護師を殴る武器に変化!
看護師2人の夜勤中、ナースコールがなっていたものの、排せつ介助中で手が離せず、患者Aさんを訪室するのが少し遅れてしまいました。しかもAさんの病室は、ナースステーションから一番遠い部屋なのです。
「すいません、遅くなりま・・・・」とお詫びの言葉が言い終わらないうちに、頭頂部に激しい衝撃が!なんと、片麻痺のあるAさんがナースコールのコードの部分を振り回し、本体部分を私の頭に振り下ろしたのです。「遅い!人を馬鹿にして!責任者よべ、あほ看護師が」と叫んでいます。
ご要望どおり管理当直師長を呼んで、対応しました。結局暴言と、物を投げるなどの行為が止まらず家族に連絡し来ていただくことになりました。家族にかなり怒られて、人が変わったようにシュンとしていました。
私はと言えば頭頂部に軽い傷だけで済みました、が、痛かったですよ。このとき、管理当直師長がいなかったら、家族も話が通らない人だったら、と考えたら暗い気持ちになります。
ケース2:訪問看護でセクハラ行為、拒否すると暴言!もう行きたくない
訪問看護は、患者さんの自宅内で1対1となる場面があります。家に上がられる患者さんも緊張すると思いますが、信頼関係が構築されていない訪問先へ向かう看護師もまた緊張します。看護師のWさんの体験談です。
パーキンソン症候群で独居、在宅療養中の60代前半の男性患者Bさん。主に、服薬管理のため、週二回の訪問です。
訪問回数が増えるにつれ、「下半身が痛い、見てくれ」「痛みがあるからさすって欲しい」と訴えてくるようになったそうです。看護師は「痛い」と言われたら見ないわけにはいきませんが、明らかに病気ではありません。
数回目に「こういった行為はセクハラですからやめてください」と言ったそうです。と、血相を変えて「この馬鹿看護師、病気も見れんのか!今までの金返せ、事務所潰してやる」と詰め寄ってきたそうです。訪問を中止し、すぐにケアマネージャーに電話し、男性ケアマネージャーと再訪問し対応したそうです。
ケアマネージャーが男性であったこと、すぐに対応してくれたことで救われたそうです。結局、Bさんは訪問看護の事業所を変えることになったそうです。
ケース3:これも暴言?度がすぎた嫌味ばかり言う患者さんに疲れる
暴言は、激しく罵ることばかりではありません。Yさんが経験したケースを紹介しましょう。糖尿病性コントロールで入院中の70代女性Dさん、家族に囲まれとても礼儀正しい人に見えました。
しかし、関わるうちに二人きりの時には「あなた、結婚もしていないらしいわね。生きていて何が楽しいの?子供産んでないのに偉そうにしないで」「あなたの顔が嫌い、きっと貧乏な家に育ったのね」など常識では考えられないような暴言を吐くようになったそうです。
しかも、Yさん以外の看護師には常識的に接しているではありませんか!Yさんは直接止めて欲しい旨を伝えましたが、止めようとしないためボイスレコーダーをセットし会話を録音したそうです。
それを師長と主治医に聴かせ、やっと信用してもらえDさんに注意した上で、Y看護師は関わらなくていい体制になったそうです。
ボイスレコーダーで患者とのやり取りを無断で録画することが倫理的に良しとされるかは疑問ですが、Yさんはそれほど追い詰められていたということでしょう。
まとめ
患者さんは、自由にならないという不満、欲求が満たされない不満、病気や生活に対する不安にさらされています。しかし、誰にでも暴力・暴言をふるって良いわけはありません。看護師は、一人で耐えないことが大事です。
看護師は毅然とした態度で接すること、抱え込まず必ず誰かに相談することを徹底してほしいと思います。ケース1~3まで、理解者いたから救われたのです。
心や身体に傷を残さないようにしましょう。そして、このようなトラブルには真正面から向き合わずに、適当な人材に処理を任せ逃げることも正解の一つです。