看護師がインフルエンザになったらどう思われる?罹患したらどうする?

看護師がインフルエンザになったらどう思われる?罹患したときの対処法

毎年、寒くなる頃にインフルエンザの流行がニュースを騒がせます。

ワクチン接種していたにも関わらず、病状が悪化して亡くなってしまう高齢者や子供の事例が後を絶ちません。

インフルエンザに罹った患者、その疑いのある患者に対応する、医師、看護師はある意味一般の方に比べて発症のリスクが高い環境下に置かれているといえます。

そんな看護師が、インフルエンザに罹ったら・・・看護師なら誰しも恐れるこの事態について考えていきたいと思います。

インフルエンザ感染、意外と厳しい看護師に向けられる目

インフルエンザは飛沫核感染である。同じ空間に存在していただけで感染する可能性がある。これは医療従事者には常識です。誰でも、どんなに気を付けていても罹患する可能性があることは理解しているはずです。

しかし、インフルエンザに罹った看護師に対して向けられる目は、今も昔も意外と厳しいのが現実ではないでしょうか。

看護師は夜勤を含む代勤務のシフトが組まれている職場が多いです、病欠が発生すれば職場全体の勤務変更が必要になるため「病欠は迷惑」という本音が噴出してしまうのでしょう。実際の例を見て、対策について考えていきましょう。

間違った認識、インフルエンザに罹るのは自己管理がなっていない!?

実際に相談を受けた例を挙げてみましょう。インフルエンザで仕事を休まざるを得なかった看護師が、上司や同僚から浴びせられた言葉で精神的苦痛を受けた、というものです。

  • 「インフルエンザに罹るのは自己管理がなっていない証拠」
  • 「手洗い、うがいをおろそかにしているからインフルエンザに罹ったに違いない」
  • 「遊びに行き過ぎているからインフルエンザになったのでは」

実際、医療のエビデンスで考えれば、上記の言い分は全く正しくないことは分かります。

しかし、インフルエンザに罹った身内看護師に対しては「大丈夫?」という労いの言葉の前に「いつから出勤できるの」「どこに行って罹ったの」という言葉が出てしまいがちです。

インフルエンザの症状に苦しんでいる人に、このような言葉を浴びせることは人ととしてあってはならないことです。上司からの言葉であれば、完全なパワーハラスメントです。

インフルエンザに罹っている当人がいないところでも、決して口に出してはいけない言葉です。

インフルエンザに罹ったパート看護師は解雇、酷い職場の実例とは

とあるクリニックの看護師さんから相談を受けました。

毎年インフルエンザが流行する時期の前に、パート看護師には「本人がインフルエンザに罹っても、子供がインフルエンザに罹って看病するとしても急に休むことは認めない」と言い渡されるそうです。

すなわち、インフルエンザで1週間近く休むことになれば解雇、ということだそうです。本当に酷い話ですね。クリニックの医師、経営者は絶対インフルエンザに罹らないという、全く根拠のない自信を持っているようですね。

このような言い分はもちろん、まかり通るはずがありません。断固抗議しましょう。

インフルエンザの予防接種を受けておいた方が良い、看護師の事情とは

看護師のAさん、インフルエンザの予防接種を受けて、その後とてもしんどい思いをしたことから、インフルエンザ予防接種は受けないと決めていたそうです。

その分、手洗いうがいの徹底、マスクの着用、人込みにはいかないなどかなり気を付けていたそうです。

しかし、ある年不幸にもインフルエンザに罹ってしまいました。

その時に「インフルエンザの予防接種を受けていない」ということが問題視され、「医療従事者のくせにワクチンを打っていないのは自覚が足りない証拠」「ワクチンを打たなかったから罹った、職場は迷惑している」ということを言われたそうです。

医療従事者は、インフルエンザワクチンを打ったから罹らないわけではないことは、理解しているはずなのに、とても理不尽な言い分です。

医療従事者はインフルエンザワクチンを打って当然、打たないことは倫理に反している、と決めつけることは良くありませんね。しかし、あらぬ攻撃を避けるためにも、よっぽどのアレルギーが無い以上は、インフルエンザワクチンを打っておいたほうが無難かもしれません。

患者からのもらいインフルエンザ、リスクの高い職場とは

インフルエンザに罹患した人と、密室空間に同席することが感染のリスクを高めることが言うまでもありません。

人工呼吸器装着中患者さんや訪問看護先の患者やその家族がインフルエンザの場合、インフルエンザの隔離病室の担当看護師、外来処置室の担当看護師、患者さんからインフルエンザが感染する、いわゆる「もらいインフルエンザ」のリスクが高い職場と言えます。

特に、患者さんが潜伏期間で排菌していることに気が付いていない場合、危険度が高いと言えます。

普段からの人間関係が浮き彫りになる、インフルエンザでの病欠

看護師本人がインフルエンザに罹る、また家族がインフルエンザに罹り看病のため休む場合、職場から「お大事に、良くなったら連絡してね」という言葉をもらえるか、「自己責任、休むのは迷惑」とリアクションされるか、それは普段からの職場の人間関係や風潮を反映していると言えます。

医療従事者としてあり得ない、理不尽で冷たい対応をされる職場は、元気な時は良好な関係に思えても潜在的なトラブルを抱えていると言えます。

病欠、産休、不慮の事、訃報等に対する理解が無い職場だと言えます。休みが少ないこと、職員間の不公平に不満が渦巻いているのかもしれません。このような職場で、ライフワークバランスを充実させることは難しいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?インフルエンザが流行する時期になると、看護師はみな自分も家族もインフルエンザに罹らないように最大限の努力をしていると思います。

しかし、罹患するときはほとんどが不可抗力です。誰しもかかる可能性があります。

「自己責任」「自覚が足りない」という考えは間違っているので、インフルエンザに罹ったら、医師の指示に従ってきちんと仕事を休んで療養しましょう。


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