採血は怖くない!正しい採血の手順をまとめました

採血は怖くない!正しい採血の手順をまとめました

スムーズで患者さんに苦痛を与えない採血のためには、事前の準備や手順の確認が欠かせません。採血の手順を確認しておきましょう。

1トレイ1患者の原則

感染や取り違え事故を防ぐために、患者さん事にトレイや物品を交換することを1トレイ1患者の原則といいます。

トレイには採血針や注射器、針捨て容器、駆血帯など必要な物を揃えます。採血針は21~23Gのサイズのものを使用します。

正しく検査するため、項目によって使う採血管が違います。

例えば凝固系や血球数の検査には、血液が固まるのを防ぐために防凝固剤が入っている採血管を使い、生化学検査には分離剤が入ったものを使います。

採血をする前には、まず患者さんに氏名を言ってもらって、採血管が本人のものか確かめましょう。検査の説明も忘れないようにしましょう。

また、アルコール過敏症の患者さんの場合は、赤くなったり腫れたりすることがあります。事前にアルコール過敏症でないか確認しておきましょう。

もしアルコール過敏症なら、逆性石けんやクロルヘキシジンなどアルコール以外の消毒薬を使う必要があるので、医師に相談します。

採血のタイミング

一般に採血は、空腹時に行います。食事内容の影響を受けないようにするためです。また、採血前の20~30分間は安静にしていることが望ましいとされています。

毎日採血を行う場合は、検査値を正確に比較するために時刻など条件を揃えるようにしましょう。

採血の手順

まず、患者さんに氏名の確認や必要な聞き取り、検査の説明を行います。患者さんの中には、まれに採血のショックで失神してしまう方もいます。

もし失神の既往があれば、うつ伏せで採血することで予防できるので、確認しておきたいですね。

処置用シーツを敷いて手袋をはめます。そして駆血帯を巻いたら、患者さんの腕は伸ばして母指を中に入れて、軽く手を握ってもらいます。

肘枕を使うと肘を伸ばしやすくなります。それから刺す位置を決めて、消毒して、針を刺します。針は血管の走行に従って、末梢から中枢へ向けて適切な角度(15~20度)で刺します。

深く穿刺しすぎると神経を傷つけたり、内出血の原因になったりするので注意しましょう。検査に必要な分だけ採血します。取りすぎないように注意してください。駆血帯を外してから消毒綿を当てて針を抜きます。

駆血帯を外す前に針を抜いてしまうと大出血してしまうので、必ず先に外します。血液を採血管に移した後は、注射器はリキャップしてはいけません。ごみは決められた方法で廃棄しましょう。

採血後

止血の基本は、5分程度の圧迫です。もむと血が止まりにくくなるので、もまないようにしましょう。

抗凝固剤を使っている患者さんの場合は、圧迫を長めに行う必要があります。しっかり止血できないと内出血してしまうので、必ず止血の確認をしましょう。

もし内出血してしまったら、さらに出血が広がらないように圧迫を続けて、冷罨法(冷やすこと)をします。しばらく冷罨法をしたあと温罨法をすると早く吸収されます。

最後に

いかがでしたか?

採血の手順についてまとめてみました。準備や採血の実施に手間取っていると、患者さんに余計な恐怖感を与えてしまいます。

患者さんに合った器具を揃え、手際よく採血できるようになりたいですね。


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