内科から外科に異動するときの看護師の心構えと勉強のポイントは
看護師の皆さん、クリニック系や単科の病院勤務以外では、切っても切り離せない異動問題。今回は、看護師の異動において「どうすればいいの」「勉強が追い付かない」「忙しそうで怖い」という相談が多い、内科病棟から外科病棟への異動について、異動の心構えや勉強のポイントを解説していきます。
外科病棟に異動になりそう、既に異動を打診されている、そんな看護師さんにお勧めの記事です。ぜひ参考にしてください。
内科病棟から外科病棟へ異動、経験者の声聞いてみました
実際に、内科病棟から外科病棟へ異動を経験した看護師に、どんなことに戸惑ったか、不安だったか聞いてみました。
- 「仕事のテンポが内科病棟に比べて早く、ついていくのが大変だった」
- 「傷の処置介助で、医師のペースについていけない」
- 「術後のドレーンの位置を申し送られてもわからず、困った」
- 「術前処置の内容やポイントが分かりにくく、苦労した」
- 「縫合処置の時、糸の種類を指示されてわからなかった」
大きく2つの内容に分けられますね。
1つ目は、仕事のペースが内科より早いと感じる、2つ目は外科特有の術後管理に関する知識不足です。詳しく解説していきましょう。
外科病棟は仕事のペースが速いと感じている看護師が多い
内科病棟の仕事が楽なわけではありません。内科はゆっくりと仕事しているわけでもありません。しかし、外科病棟は手術を受ける患者さん、癌のターミナル期患者さんが主な対象です。
手術を受ける患者さんの在院日数は、徐々に短縮され、クリティカルパスでの運用がメインになっています。術前処置、手術出し、術後管理と同時にターミナルケアが同時進行し、一般的には多忙と認識されています。
そのため、内科病棟に比べて日々の看護業務の流れ、仕事のペースが速く感じると思います。この外科病棟特有のペースに慣れることに苦労する看護師が多いということです。
術後管理に関する知識の習得が大変と感じている看護師が多い
内科病棟と最も大きく違うところは、外科病棟は周術期の看護を担当する、ということです。術後管理を担当できるようになるには、まず用語の理解から始まります。
患者さんがどんな疾患で、どんな手術を受けるのかをしっかり理解できないと、観察ポイントが分かりませんね。
例えば、
「ダグラス窩に入っているドレーンの抜きます」
「プリーツドレーンからの排液、減ってる」
「今日、正中創の半抜鈎します」
「1-0絹糸準備しておいて」
最初はこれらの用語に戸惑ってしまうことでしょう。
ダグラス窩はドレーンを留置している場所、プリーツドレーンはドレーンカテーテルの種類、半抜鈎とは術後創部にかかっているピンを全部抜かずに半分だけ外すこと、1-0絹糸とは絹糸の太さを表しています。
まずは一つ一つ、わからない用語をピックアップして調べていくことから始まります。
内科から外科への異動、看護師の心構えは
内科病棟から外科病棟、必要以上に構えすぎることはありません。外科では未経験者かもしれませんが、看護師として患者さんを看ること、基本的なケアは同じです。
仕事のペースについていけない、素早く対応できず医師から注意された、そんなことも経験するかもしれません。仕事のペースが速いことに対しては日々の業務で慣れていけば必ず追いついていけます。
最初から、無理についていこうとするととても疲れてしまいますし、ミスを起こしやすいものです。まずは慣れることから始める、という心構えでいてください。
分からないことは、日々解決できるよう指導の担当者とコミュニケーションをとっておきましょう。
内科から外科への異動、看護師の勉強のポイントは
外科、周術期の看護では内科では聞いたことが無い用語が飛び交うと思います。
勉強のポイントは、わからない言葉をピックアップし、その言葉が「人体の部位か」「物品の名前か」「処置の内容か」に分けて整理していくことです。
前述した例では、「人体の部位」はダグラス窩、「物品の名前」はプリーツドレーン、「処置の内容」は半抜鈎ということになります。
このように整理していくことが勉強のポイントです、着実に外科の知識が身についていきます。
まとめ
看護師が内科病棟から外科病棟へ異動すること。わからないことだらけで、ついていけるのかとても不安に感じられると思います。異動の心構え、勉強のポイントを参考にして頂き、少しでも異動のストレスが軽くなれば嬉しいです。
内科病棟で経験した看護を生かして、外科病棟でさらにステップアップできるよう応援しています。