今改めて注目されている認定看護師とは?
認定看護師は看護師ならば憧れる人の多い、看護師のエキスパートとしての資格です。今回は、取得のための費用、時間、取得後の収入など、認定看護師の実際を紹介します。
<おすすめ記事セレクション>1.認定看護師とは
認定看護師は、日本看護協会が認定する資格で、特定の分野において、患者さん・ご家族への看護実践、看護職への指導、看護職への相談を行う熟練した看護技術と知識を有することを認定する資格です。
現在、認定されている分野は以下の21分野です。
分野名 | 英語表記 |
---|---|
救急看護 | Emergency Nursing |
皮膚・排泄ケア | Wound Ostomy and Continence Nursing |
集中ケア | Intensive Care |
緩和ケア | Palliative Care |
がん化学療法看護 | Cancer Chemotherapy Nursing |
がん性疼痛看護 | Cancer Pain Management Nursing |
訪問看護 | Visiting Nursing |
感染管理 | Infection Control |
糖尿病看護 | Diabetes Nursing |
不妊症看護 | Infertility Nursing |
新生児集中ケア | Neonatal Intensive Care |
透析看護 | Dialysis Nursing |
手術看護 | Perioperative Nursing |
乳がん看護 | Breast Cancer Nursing |
摂食・嚥下障害看護 | Dysphagia Nursing |
小児救急看護 | Pediatric Emergency Nursing |
認知症看護 | Dementia Nursing |
脳卒中リハビリテーション看護 | Stroke Rehabilitation Nursing |
がん放射線療法看護 | Radiation Therapy Nursing |
慢性呼吸器疾患看護 | Chronic Respiratory Nursing |
慢性心不全看護 | Chronic Heart Failure Nursing |
2.認定看護師になるには
認定看護師になるには、5年以上の実務経験(うち3年以上は認定看護分野での実務経験)が必要です。
大学や都道府県の看護協会などの教育機関で開講されている認定看護師教育課程でのカリキュラム修了(6か月・615時間以上)後、筆記試験による認定審査を受け、合格すれば認定看護師として認定されます。
資格は5年ごとに更新制で、更新は看護実践と自己研鑽の実績についての書類審査となっています。なお教育機関入学には、面接・筆記試験による入学試験があります。
3.資格取得のための費用
資格取得のためには、入学検定料、入学金、授業料、実習日、認定審査費用、認定費用などでおおよそ100万円が必要です。
また、自宅から通える範囲内で希望する領域の認定看護師教育課程が開講されていなければ、引越しやそれに伴う費用が必要になりますし、実習のための宿泊費や交通費もかかります。
その他参考書籍代などの雑費を含めると約200万円かかるほど必要になるようです。
このように認定看護師取得には多額の費用がかかりますが、認定看護師教育課程を受ける間は休職扱いで給与が支給される、入学料や授業料を負担してくれるなどの資格取得支援制度を設けている病院・施設もあります。
また、都道府県や教育機関によっては奨学金が制定されています。奨学金によっては返還しなくてもいい条件となるものもありますので、それらをうまく活用すれば、資格取得のための負担削減を図ることができます。
4.認定看護師の手当て
日本看護協会の2009年度のデータによると、認定看護師の手当てがつく病院は約25%だそうです(ただし、つかないと回答した中には管理職手当として支給されている場合もあり)。
その手当は5000円未満が約40%と一番多く、多くても3万円程度となっているようで、資格取得までにかかる費用を考えると決して高いものではありません。
認定看護師取得で給料アップを考えるならば、資格手当が高額な病院への転職などが必要になるでしょう。
5.認定・専門看護師の実際
私が働いていた総合病院では、各専門に応じた病棟に配属されたり、皮膚・排泄ケアや感染管理のCNは病棟には所属せず院内を横断的に活動していました。
また、医師・薬剤師・リハビリ科などを含めた他職種でチームを組み、各病棟をラウンドし必要に応じてカンファレンスやケアを行っていました。
CNに直接相談することももちろんでき、病棟内で解決困難なケースについて相談し、CNが相談をした患者さんに直接カウンセリングをしてくれたりもしていました。
豊富な知識と経験を持っているので、とても心強かったです。その他、定期的な研修・勉強会の開催もCNの仕事でした。
最後に
私が印象的だったのは、CNを取得した先輩が「資格取得の際に自分の目指す看護を見つめ直すことができたことが一番の収穫だった」と話されていたことでした。
認定看護師の取得・資格の維持には時間・費用がかかり、ハードルが高いことも確かですが、そこで得るものは大きいようです。
極めたい分野、継続していきたい分野がある方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。