看護記録を書く時の5つのポイント

看護記録を書く時の5つのポイント

看護記録は、関わっている全ての医療者が、患者さんの状態を正確に把握できるように記入する必要があります。

看護記録を残すうえで注意したいことをまとめてみました。

1.主観的情報は看護問題に関わることを書く

患者さんの発言や様子の中で、看護問題に関わることを主観的情報として残していきます。

「誤嚥リスク状態」という看護問題のある患者さんなら、「今日の食事はうまく飲み込めた」などと話していただけたらその旨を記録していきます。

患者さんはとりとめもなくお話しされるかもしれませんが、看護記録には関係のないことは書いてはいけません。

各看護問題について患者さんがどのように感じておられるか、十分引き出せるような声掛けを心がけましょう。

2.客観的情報は事実のまま

例えば、「ガス交換の障害」という看護問題のある患者さんについて考えてみます。「酸素吸入すると呼吸が楽になる様子。

歩行すると呼吸苦が強まるようである」と記入してしまうと、看護師の感想を勝手に書いたようになってしまいますね。

「トイレ歩行時はSpO2 92~93%(酸素3l/分鼻腔カニューラ投与中)、息切れ著明であり、廊下で休みながら歩行している」などと、数値や患者さんの見たままの姿といった事実をまとめて記入します。

3.具体的に

「熱が高くなった」「解熱した」などの言葉だけでは、患者さんの様子を正確につかめません。必ず「38.5℃」などの数値を書き入れます。

薬品も、同じ商品名で経口薬と座薬など複数の種類がある薬もあるので、それがわかるように記録します。また、含有量も商品によって違うので、「○○座薬 100mg使用」などと記入しましょう。

4.看護師の主観は書かない

患者さんの主観に基づく情報は大切ですが、看護師はあくまで客観的な情報を整理していきます。看護師の主観は書かないようにしましょう。

「優しい」「怒りっぽい」など、個人的な感想や、勝手な偏見で決めつけることはしないよう注意してください。

5.アセスメントも大切

客観的な事実や数値をそのまま記録することも必要ですが、患者さんの状態や数値がどのように変化しているかを見たうえで判断したことを残していくことも大切です。

例えば発熱していた患者さんに解熱剤を投与し、数時間後に熱が下がっていたら、「薬の効果が見られた」という判断をしますね。

これは勝手に看護師が決めつけたことではなく、客観的なデータをもとに判断したことなので、アセスメント欄に記入することになります。

この際も、熱が高かった、下がったなどという書き方ではなく、「体温36.8℃に解熱し、○○薬の効果が見られた」と具体的な温度や薬名を記入します。

最後に

いかがでしたか?看護記録を残すうえで、注意したいことをまとめてみました。客観的に集めた情報を正確に記録しつつ、自分なりの判断や分析もしっかりしていくことが求められます。

最初は難しく感じるかもしれないので、可能であれば先輩の看護師に記入例を見せてもらえると参考になりますね。スムーズに必要な情報が共有できるような看護記録を目指しましょう。


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