看護師から見たコンパートメント症候群の予防とケア
- 2016/9/27
- ノウハウ・ハウツー
- フォルクマン委縮, 急性コンパートメント症候群, 慢性コンパートメント症候群
看護師から見たコンパートメント症候群の予防とケア
今日は看護師がおさえておくべきコンパートメントについて紹介します。急性コンパートメントと慢性コンパートメントの違いについてもおさえておきましょう。
コンパートメント症候群とは何か?コンパートメント症候群を知ろう!
そもそもコンパートメントという単語は中々聞きなれない言葉ですよね、コンパートメント(COMPERTMENT)とは区画、仕切り、客車などの個室の事を指します。人体においては筋膜、骨、骨膜などの囲まれている部分のことで、皮膚内部の出血し組織内圧が上昇して細動脈の血行を阻害し筋腱神経組織が壊死してしまう状態の事をコンパートメント症候群といいます。
スポーツ中の事故や交通事故などの打撲や骨折、脱臼などを起こした時に起りますので、上肢は前腕に発生しやすく、下肢は下腿に発生しやすくなります。
そのまま放置してしまうと後遺症などが残ります。特に前腕などではフォルクマン委縮などが有名ですが下腿では運動障害や神経の痺れ、運動障害や夜間の痺れなど発生し日常生活に支障をもたらしますので注意が必要です。
コンパートメント症候群の種類とは?
コンパートメント症候群にも急性と慢性がありますのでそれぞれおさえておきましょう。
急性コンパートメント症候群とは?
急性コンパートメント症候群は主に、骨折など前腕や下腿を酷く押しつぶした時の外傷で、多量の出血や腫脹が発生し急速に区画内の圧が上昇した場合や包帯やギブスを強くまいてしまった時の区画内の上昇した時に発生します。
症状としては、患肢の部位を稼働しても痛みが継続したり、鎮痛剤などの薬を服用しても効果が見られない場合もあります。状態が進行してしまうと、痛みと共に痺れや麻痺といった症状が継続的に発生して行きます。
急性コンパートメント症候群の治療方法とは?
急性コンパートメント症候群の場合は、手術しか方法は無く区画内の圧を下げる為にも筋膜を切開して圧を下げて行きます。
ギブスや包帯などの結束による急性コンパートメント症候群の場合は、結束している箇所を外したりゆるめたりして圧が下がるようにしていきます。いずれも処置や治療は医師との相談の上におこないましょう。
慢性コンパートメント症候群とは?
慢性コンパートメント症候群は、40歳以下の若い人に多く見られます。特に、スポーツをしている人に多くみられます。これは、過度の運動によって特定の動きをしている人に多く見られます。
原因としては、筋膜が通常より厚かったり、筋肉が肥大していた場合に血管の内圧が高まる為に、慢性コンパートメント症候群を起こす可能性があります。
症状としては手足の痺れや、可動域が決まったり痛みが長時間続いたり、目視できるくらい部位が肥大したりします。
やはり、スポーツは健康にもいいのですが、過度の運動や、頻繁なトレーニングは発症のリスクもありますので負担のかからない適度な運動をしましょう。
慢性コンパートメント症候群の治療法とは?
慢性コンパートメント症候群の治療法としては、症状により幅は広いのですが薬の投与や理学療法による筋肉のリハビリなどがありますが、医師との相談の上、指示をもらい適切な看護を行いましょう。
まとめ
コンパートメント症候群は目視できるくらい痛々しい症状です。特にスポーツ中の事故や交通事故で運ばれた場合、患者さんは痛みと痺れによる苦しみ、肥大により不安と心配を全て抱え込みます。
状況には一刻を争いますのでRest(安静)、Ice(アイス)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)のRICE処置を的確に行い治癒を早めるように心がけましょう。