股関節術後の患者さんの体位変換を2人で行う方法を解説
股関節の手術後、身体を動かすのは非常に危険を伴います。手術するという事は筋肉にメスを入れ、肉を割き外部の物質を体内に入れて行くということです。つまり、当然患者の体力の消耗も多くあり、外部の物質を入れた場合はどんなに殺菌消毒をしても菌は付着していますので患者さんの免疫力が向上するまで安静にする必要があります。
しかし、ずっと上を向いたまま寝ていたら精神的にも苦痛を伴いますし床ずれ(褥瘡)や緑膿菌などの感染症が心配されます。体位変換する事により患者さんに床ずれ(褥瘡)感染症などの菌の感染を防ぎ安心して生活が出来るよう患者さんと共に頑張っていきましょう!
ちなみに1人で行う場合はこちら。
股関節術後の患者さんの体位変換を1人で行う方法と注意点
看護師2人による体位変換の方法を解説
上向きに寝ている状態(仰臥位)から右を下に寝て(右側臥位)いて患肢が右側の場合の方法
患者さんの体調から確認して行きましょう。バイタルサインは勿論ですが、術後なので急な体調の変化にも注意しましょう。
次に確認がとれたなら体位を返還する事を伝え体位を変換する効果などを充分理解してもらい何時間おきに変換して行くかを伝えます。
通常術後の安静もありますが、およそ2時間単位で位変換する為、睡眠時でも夜勤の間に体位変換を行いますので患者さんには充分理解してもらうように説明し患者さんから同意をもらい、協力してもらいましょう。
2人で行う場合は患者さんを挟みベッドの両脇に立ちます。ここでは右が患肢なわけですから左に寄せながら外転枕を外していきます。
※ベッドの付近で動くのでドレーンや輸液ラインなどには十分注意しながら行いましょう。
次に左の健肢側の看護師が右の患肢を持ち上げ、右の患肢側に居る看護師は掛け声とともに腰辺りの場所を押しながら横に寝せましょう(側臥位)。
寝かせたら右の患肢側に居た看護師が腰の方を自分の方に寄せながら同時に足枕を患肢の上に乗せゆっくりと健肢を重ねて行きましょう。
整ったら肩と腰を整え背中にクッションを置き、布団を掛けてナースコールを患者さんの手元に置き楽な姿勢にしたら状態を観察して行きます。
注意点とポイント!
患者さんの身体を変換する際に患肢が内転や内錠しないよう又、脱臼を起こしやすい危険な肢位なので十分注意しましょう。患者さんは安静状態という事を忘れてはいきません。
まとめ
最初の上記でも書きましたが術後の患者さんは安静が基本です。しかし、寝ているだけでは精神的にも苦痛ですし感染症の恐れを含んでいます。
特に高齢者になり長い時間寝たままに過ごすと床ずれ(褥瘡)を非常にし易くなりますので出来れば短い時間などで体位変換を行い、床ずれ(褥瘡)を防ぎましょう。
また、一日の内に数回行うため、患者さんの協力も必要ですが食事の時間を避けやプライバシー保護し患者さんに対しての気遣いも重要な看護です。
術後は安静が基本なので患者さんに体位変換の大切さや効果を納得のいくまで理解してもらい一日でも早く自由な身体を手に入れてもらいたいものですね!