看護師なら押さえておくべき!患者の負担を減らす体位変換

看護師なら押さえておくべき!患者の負担を減らす体位変換

入院中の患者さんの安静位を観察してみると、状態によって様々な体位で休んでいることがわかります。

中には、健康な人から見ると「その体勢が楽なの?」と思うようなものも。さまざまな体位と、その特徴や適応例を確認してみましょう。

体位変換の目的

  • 同一体位保持による身体的・精神的苦痛の緩和
  • 筋肉の委縮や関節拘縮の予防
  • 循環障害による褥瘡の予防
  • 内臓機能(循環機能・呼吸機能・消化機能)の低下の防止

健康な人は自分で寝返りなどをするのであまり気になりませんが、自分で自由に体を動かせない人がずっと同じ体位でいることは、全身に様々な悪影響を及ぼします。

体位変換は「療養上の世話」なので、看護師の判断で決定できることです。回数や間隔など、患者さんの状態を考えて主体的に行っていく必要があります。

声掛けをしながら行うことで、患者さんとのコミュニケーションにもなりますね。

基本的な体位

  • 立位…通常の立ち姿勢
  • 端坐位…椅子やベッドの端などに腰かけている状態
  • 長坐位…床やベッドの上などに足を延ばして座っている状態
  • 仰臥位…仰向け
  • 腹臥位…うつ伏せ
  • ファウラー位…軽く傾斜がついたところで寝た状態、半坐位ともいう。呼吸困難時や経管栄養時などに用いられる
  • 側臥位…横向きに寝た状態
  • 起坐位…座って、前の台に上半身をもたれさせた状態。呼吸が苦しい患者さんにとっては、内臓(消化器)が横隔膜を下から押す力が減って肺が広がるので、呼吸が楽になる

左右で違う側臥位の特徴

内臓や腸といった器官の方向を生かして、左右の側臥位を使い分けることも重要です。

・右側臥位…嘔吐の予防など。胃は左上から右下に走行しているので、右を下にすることで逆流を防止することができます。嘔吐している場合には、誤嚥防止のため速やかに側臥位にする必要があります。

・左側臥位…浣腸を行う時など。結腸が右から左に向いているので、左側臥位にすると浣腸液が結腸まで入っていきやすくなります。

食べ過ぎてお腹が苦しい時に、「右側を下にして寝なさい」などと言われたことはありませんか?胃の向きと関わっていることだったとわかると納得ですね。

さまざまな体位と特徴、適応例

・膝胸位…ベッド面に胸と膝を付け、殿部を上げる。校門の診察、子宮の位置確認、産褥体操に。
・砕石位…仰臥位で膝を曲げ大腿部を上げて、股関節を外転・外旋する。最も肺活量が少なくなる体位。会陰・膣・子宮・尿路・直腸・肛門の診察・処置。
・半腹臥位(シムス位)…左側臥位を前方に倒し、右膝を曲げ、左下肢を軽く屈曲させる。膣や直腸の診察・処置、産褥の休憩時に。妊娠中に子宮が大きくなり苦しい時にこの体位で休むと楽。
・骨盤高位(トレンデレンブルグ位)…上半身を低く、下半身を高くする。婦人科における大量出血時、心原性ショック以外のショック時に。
・ジャックナイフ位…腹臥位で、腰部を折って高くする。肛門部や仙骨部の手術に。低血圧を起こしやすい。

ジャックナイフ位や骨盤高位は、普通の状態の人から見ると却って大変そうに見えますが、必要な人には重要な意味のある体位です。

最後に

いかがでしたか?枕やベッドのリクライニングも使って、患者さんにとって楽な体位をとってもらえるよう、また同じ体位を続けすぎないよう、常に気を配っていたいですね。参考になれば幸いです。

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