これって誤診?医療事故かなと思ったらセカンドオピニオンがおすすめ
セカンドオピニオンは、近年になって重要視されている患者さんの権利です。でも、主治医以外の医師に意見を求めるなんて主治医に失礼じゃないか、などと思っていませんか?ここではセカンドオピニオンの重要性やメリットについてまとめていきます。
セカンドオピニオンとは
セカンドオピニオンとは、診断や治療方針についての主治医以外の医師の意見を指します。
一度病院にかかったら、そのままずっと同じ医師に診てもらい、医師を全面的に信頼するのが当たり前だ、という考え方の患者さんもいますが、セカンドオピニオンには患者さんにも医師にもメリットがあります。
複数の専門家の意見を聞いたうえで自分の今後を決めることで、患者さんはより安心して適切な治療を受けることができます。
主治医にとっても、新しく気付く点があるかもしれず、より適した治療法を考えたり、選択肢を広げたりすることができます。患者さん自身が十分理解し納得して治療を受けられることで、より円滑に治療を行うこともできます。
セカンドオピニオンを求める場合は、主治医に検査結果や経過などを記した診療情報提供書を作成してもらいます。これを他の医師のところに持参することで、検査の負担を減らすことができます。
倫理原則
医療者が職務に当たるうえで、大切にすべき倫理原則というものがあります。
患者さんに身体的損傷を与えない「無危害原則」、患者に利益をもたらす医療を提供する「善行原則」、すべての人々に平等に医療を提供する「正義原則」、患者が自己決定し選択した内容を尊重する「自立尊重原則」の4つです。
近年、この中の自立尊重原則が注目されています。患者さんが十分な情報を得て自己決定すべきというインフォームド・コンセントも、この考え方に従ったものですね。
患者さんが自分の治療について自分で選択し、決定していくためには、医療の専門家ではない患者さんにとってもわかりやすく情報を得られることが大切であり、これをサポートしていくのも医療者の仕事です。
この方法の一つとして、セカンドオピニオンを利用することも役に立ちます。場合によっては、医師や看護師の方からセカンドオピニオンの説明をすることも必要になります。
長年日本の医療は「先生から言われることは絶対、先生に任せる」という父権主義的な考え方が一般的だったので、特に高齢の患者さんにはセカンドオピニオンについて丁寧に説明したいですね。
最後に
いかがでしたか?近年ますます注目されているセカンドオピニオンについてまとめてみました。
現在セカンドオピニオンは診療ではなく相談にあたるとされているため、健康保険給付となっていないため全額自己負担ですが、需要の高まりに合わせて見直されていくことも考えられます。セカンドオピニオンを専門に受け付けるセカンドオピニオン外来を開設している病院もあり、関心が高まっているということがわかりますね。
セカンドオピニオンは適切に利用すれば主治医と患者さんの間の信頼関係を損なうものではなく、よりよい医療につながっていくものであるということを理解して、患者さんの大切な権利の一つとして尊重していきたいですね。