基礎実習から各論実習まで看護学生の実習目標例文を一挙公開
- 2017/3/19
- 看護学生
基礎実習から各論実習まで看護学生の実習目標例文を一挙公開
看護学生の皆さん、毎日お疲れ様です。
実習で頭を悩ますモノ、それは「実習目標の立案」ですね。実習目標は考えることも大変ですが、自分の立てた目標を達成するために何をするのか、達成できる目標だと思っているのか、目標が達成できたか、など突っ込まれることがつらいです。
この記事では、実習目標の例文を特集します。実習目標は、基礎実習と各論実習に分けて解説していきます。ぜひ参考にしてください。
看護学生の基礎実習Ⅰ、実習目標の例文
各学校によって表現は異なりますが、基礎実習Ⅰの実習目標は「病院の機能を知る」「援助する場面を見学し、看護の役割を知る」「看護の対象者を知る」といった内容になっています。
大雑把に言うと、基礎実習Ⅰは「病院って、看護師って、患者って何?」を知ることといえます。そして、看護学生である自分がすべきことを知る、ということです。
だからと言って、「看護師の役割を理解する」「病院の機能を知る」などという目標は大まかすぎます。看護師歴30年近いの筆者でも「看護師の役割を述べよ」と言われると困ってしまいます。目標が大きすぎるということは、目標達成の具体的行動がイメージできていないことを表しているため、余計に突っ込まれてしまいます。
基礎実習Ⅰの実習目標の例を見ていきましょう。
- 看護の対象となる人が療養する環境を知る
- 看護師の仕事を見学し、看護師の一日の流れを知る
- 実習指導者の指導の下に、基礎看護技術を一部実施できる
- 実習中は対象者の安全に配慮しつつ、主体的に行動できる
- 病院内の経学を通して、病院の設備や機能を把握する
「病院って、看護師って、患者って何?」をかみ砕いた内容が実習目標となります。大きくとらえすぎないように注意しましょう。
看護学生の基礎実習Ⅱ、実習目標の例文
各学校によって表現は異なりますが、基礎実習Ⅱの実習目標は「個別性を重視した看護の展開が出来る」「看護のプロセスを構築する」といった内容になっています。
つまり、基礎実習Ⅱは「受け持ち患者を持って、カルテと本人から情報収集を行い、看護計画を立案し実行する」という初めての実習です。疾患の理解、患者背景の理解を統合して、看護計画を立て実行することは、各論実習につながるステップです。
このことをきちんと踏まえておくと、実習目標の立案は、基礎実習Ⅰに比べて簡単です。「疾患の理解」「情報収集」「コミュニケーション」に集約すればまず間違いありません。
基礎実習Ⅱの実習目標の例を見ていきましょう。
- 看護の対象者の疾患を十分に理解できる
- 診療録と看護記録から疾患と患者背景を理解できる
- 受け持ち患者と言語的、非言語的コミュニケーションを取り、不安を傾聴できる
- 受け持ち患者とのコミュニケーションを通して疾患の受け止め方を知ることができる
- 看護の対象者の回復過程をサポートする看護計画を立案できる
- 看護計画を立案し、必要な日常生活援助とその方法を考えることができる
- 看護の対象者に安全な保清を提供できる
基礎実習Ⅱでは、疾患を含めて患者さんを知ることが重要です。そのために何をすべきかを、考えていきましょう。
看護学生の各論実習、実習目標の立て方とは
各論実習では、成人看護(急性期、周術期、慢性期、終末期)、老年看護、小児看護、母性看護などに細分化されて実習を行います。
日々の実習目標は、より実践的で具体的な方が行動計画を立てやすく、目標達成の評価がしやすいと言えます。
例えば、成人看護の「循環器病棟」急性期の実習を例に挙げてみましょう。実習目標を「循環器疾患の病態を理解し、患者に関わる」と立案したと仮定します。
この場合、循環器病に関する学習をどのくらいしたのか?循環器疾患の定義を分かっているのか?患者に関わるのに疾患を理解するのは当たり前のことだがなぜそう思ったのか?など考えるのも恐ろしいほど突っ込みどころ満載です。
もっとかみ砕いて目標を立てていきましょう。「呼吸苦のある患者の聴診を行い、異常呼吸音を理解する」という目標であれば、聴診器の正しい使い方をマスターすることや、病態に関連した異常呼吸音を聴診することなど、具体的な計画まで落とし込みやすいですね。
また、「患者の生活背景を知り、循環器病再発予防に必要な指導内容を考えることができる」とすれば、虚血性心疾患、心不全、高血圧などの患者に対して、生活スタイルが疾患に及ぼす影響を考えること自体を目標として設定できます。
さらに次のステップとして「慢性心不全増悪を回避するための退院指導用パンフレットを作成する」といった具体的目標につながっていきます。
看護学生の各論実習の目標設定は、より具体的で実践的な内容にすることがポイントです。
看護学生、各論実習の目標の例文を一挙公開します
成人看護であれば、運動器(整形外科)、内科、腎臓内分泌内科、循環器内科、ICU(集中治療室)などそれぞれの診療科に分かれて実習を行いますので、受け持ち患者の疾患は様々です。
しかし、目標設定を難しく考える必要はありません。各論実習の目標の例文を公開します。応用を聞かせられれば、どの診療科でも使えます!
- 担当患者の手術に対する不安を傾聴し、不安軽減につなげることができる
- バイタルサイン測定時や苦痛そうな時は、フェイススケールを活用し疼痛レベルを判定できる
- 呼吸困難感がある患者に対して、安楽なポジショニングを実践できる
- 精神的なストレス軽減のため適切な足浴を行い、不安軽減につなげる
- 人工肛門管理の必要性をパンフレットを用いて説明できる
- あやとりなどの娯楽を取り入れ、苦痛なく手指の関節拘縮を予防する
- 全身状態を観察しながら全身清拭・寝衣交換をおこなう
目標設定のポイントは、行動計画が立てやすいようになるべくかみ砕いた目標を立てることです。
まとめ
いかがでしょうか。看護学生を悩ます実習目標の立案について解説してきました。具体的行動がイメージしやすい実習目標を立案は、実習をストレスなく乗り切るために欠かせません。
看護学生の皆さん、身体に気を付けて実習を乗り切ってくださいね!