院内感染しやすい患者の6つの特徴と3つの防止策

院内感染しやすい患者の6つの特徴と3つの防止策

病院内で病気が流行する院内感染。体の弱った患者さんには、命に関わることもあります。

医師や看護師が媒介して患者さんに広まることも多いので、注意が必要ですね。院内感染の原因や対策についてまとめました。

院内感染を引き起こす病原体

よく問題になるのは、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の院内感染です。

健康な人でも鼻や口の中に保持している菌ですが、抵抗力の弱った患者さんには脅威となります。

名前の通り、メチシリン等の抗菌薬に対して耐性を持っているので、治療しにくいのが特徴です。

緑膿菌も身近に存在する菌ですが、院内感染を引き起こす可能性があります。

土壌や水回りに普通にありますが、免疫力が落ちている人に接触すると呼吸器感染や尿路感染などさまざまな感染症の原因になります。

その他、多剤耐性アシネトバクター、バンコマイシン耐性腸球菌なども院内感染では重要です。

多くはもともと身近なものですが、薬剤への耐性を獲得すると、やっかいな病原体になります。

感染のリスクの高い人

院内感染を引き起こす病原体は、健康な人にとっては無害ですが、体が弱っている患者さんには怖いものです。特に注意すべき人についてまとめました。

  • 抗がん剤や免疫抑制薬による治療を受けている人(白血球が減少しており、感染のリスクが非常に高くなります)
  • ドレーン・カテーテル留置中の患者さん
  • 抗菌薬を長期投与されている患者さん
  • 大手術を受けた直後の患者さん
  • 重度の怪我や火傷、褥瘡がある患者さん
  • 高齢者や新生児

特に感染しやすい状態(易感染状態といいます)の患者さんは、無菌室に移動するなどの対応が必要になります。

薬剤耐性菌の出現を防ぐための対策

薬剤への耐性を持った病原体に感染すると、治療が難しく重症化の恐れがあります。薬剤耐性菌の出現を防ぐために、以下のことに注意をする必要があります。

院内感染対策の徹底

抗菌薬の適正使用…感受性を確認し、治療上必要最低限の機関の投与にとどめることが大切です。使用しすぎると、必要な菌まで減少してしまい、別の菌が異常に増える等のトラブルが発生する場合もあります。

薬剤耐性菌の監視体制の強化…日常的に分離状況や発生動向を把握します。

看護師が主に関わるのは①の院内感染対策の徹底です。院内感染は、医師や看護師などの医療者が媒介となることも少なくありません。

これを防ぐためにも、手指衛生やマスクなどの防護用具を正しく使用して、感染予防の基本原則を徹底することが重要です。

最後に

いかがでしたか?院内感染の原因になる菌や対策についてまとめました。

入院中の患者さんに変わった様子(咳が出る、熱があるなど)がないかよく注意することで、早期発見・早期治療につながります。

また、忙しい時にはおろそかにしてしまいがちな手指の洗浄・消毒やマスクの装着ですが、正しく行うことによって感染の拡大を防止することができます。

基本を大切にして、院内感染から患者さんを守りましょう。


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