主な点滴7種類を紹介します
病院で点滴をしてもらうのは、いろいろなケースがあります。
病気で食べ物が食べられないときの栄養補給として点滴をすることもあるでしょうし、手術などが必要なときに、脱水を起こさないようにすることもあります。
では、点滴には主にどんな種類があるのかご紹介しましょう。
等張液
0.9%生理食塩水は等張液の一種で、体液と同じ浸透圧という意味で等張液と呼ばれています。
点滴のことを輸液製剤と言いますが、輸液製剤はナトリウムの含有量によって何号液(以下に説明する)という種類に分かれています。
リンゲル液も等張液の一種で、生理食塩水の他にカリウムやカルシウムなどが含まれています。スポーツドリンクの元となったとも言われています。
血圧を維持する効果があるので、手術中の大量出血などの時にも血漿を増やすために使われることがあります。
5%ブドウ糖液
水分輸液剤と呼ばれ、主に水分補給を目的として使用されます。ナトリウムなどの電解質を含まないため、心不全などのケースに良く使われています。
一号液
体液よりも低い浸透圧である低張液と呼ばれる点滴で、開始液とも言われています(これから説明する四号液まで低張液です)。
カリウムを含まないので、腎機能が良くない患者に使われることが多いです。また病態が不明の場合にもまず一号液が使われ、利尿があらわれるなど病態が安定するまで続けます。
二号液
カリウムが含まれていて、おもに脱水の場合に使われる点滴です。それほど多く使われる種類ではありません。
三号液
電解質をバランス良く含んだ点滴で、維持液と呼ばれています。一号液の次に点滴されることが多く、食事が摂れない場合にも使われます。
500mlで1日に必要な水分、カリウムやナトリウムなどの電解質を補給することができるので、一番使われる頻度が多いと言えるでしょう。
四号液
術後回復液と呼ばれ、体が弱っている時に使われることが多いです。三号液からカリウムを除いた点滴ですので、高カリウム血症や腎機能が低下している人に使用します。おもに小児や高齢者が多いでしょう。
高カロリー液
ほぼ1日に必要な栄養補給ができる点滴です。維持液と呼ばれる三号液に、高濃度のアミノ酸やブドウ糖が含まれています。
消化器科などで絶食治療をする場合には、この高カロリー液や脂肪製剤などで、足りない分の栄養を補給することがあります。
※あくまで参考です。詳しくは病院でお聞きください。
まとめ
おもな点滴の種類を7つご紹介いたしました。
一般的な人がおもに使う点滴は、等張液、一号液、三号液の3つだと考えられます。
ただ、これらの中にも色々な種類がありますので、実際に点滴をするときに書いてある名称とは異なります。
でも、どんなものなのかわからずに点滴をするよりも、その目的と内容がわかっただけで気分が違いますよね。
点滴の量や速さは、体重、年齢、基礎疾患などによって異なりますので、同じ病気の治療目的で点滴を行っていても、同じ輸液製剤とは限らないのです。