規則で禁止されている「患者さんからのお礼の品」の上手な断り方

規則で禁止されている「患者さんからのお礼の品」の上手な断り方

患者さん、患者さんのご家族から「気持ちだけです」と持ってこられるお礼の品、看護師は困ってしまいますね。

病院の規則で禁止されている、お気持ちだけ頂く、他の患者さんからも受け取っていない、などどんなに断っても、無理やりポケットに押しこんだり、置いてその場を離れようとするなど相当強引な患者さん、ご家族が存在します。お菓子位なら可愛いのですが、現金や商品券、高額な商品は大変困ってしまいます。

また、お菓子の箱と思って受け取ると、中にお金が忍ばせてあるというトリックが隠されていることも。大変気まずく、困ってしまうこともあります。

看護師が困ってしまう、患者さんからのお礼の断り方を検証してみましょう。スマートに対応して、より爽やかで素敵な看護師を目指しましょう。

お礼の品に込められた患者さんの思い、本当に感謝なのか

看護師が患者さんから頂くお礼の品、具体的に多い商品を上げてみましょう。

「お菓子の詰め合わせ」「ジュースやコーヒーのセット」「ハンカチ」「靴下」「デパート商品券」時に「現金」「プリペイドカード」です。

これらのお礼の品を用意する患者さん、ご家族の真意は、看護師を含む医療者に対する感謝なのでしょうか。検査、手術、治療、療養が終わり、退院転院される時に用意された品は、ほとんどが純粋な感謝の気持ちかもしれません。

しかし、まだ入院中、検査・手術前に用意された品にはどんな思いがあるのでしょうか。

実は、お礼の品を渡すべき、という慣習、良い患者と思われたい、という世間体が相当なウエイトを占めているようです。経済的に余裕がないにも関わらず、無理してお礼の品を購入してくる患者さん、ご家族もいるのです。

看護師は、患者さんからお礼の品を頂いたかどうかによって態度を変えたり、看護の質を変化させることはないでしょう。(ないと信じたい)

看護師は、患者さんからのお礼の品には、感謝以外のたくさんの思いが込められていると想像力を働かせてください。受け取るべきかどうかは、分かってくると思います。

お礼の品、お断りすると怒る、残念そうにする患者さんにヒヤヒヤ

受け持ち患者さんの観察のため訪室したあなた。

面会中の患者さんのご家族から「つまらないものですが、いつも世話になっていますので」と菓子折りを手渡されました。「病院の規則では受け取りを禁止されていますので」「お気持ちだけ頂きます」と固辞したとしましょう。

そこで、引き下がっていただければいいのですが、「遠くからわざわざ持ってきたのになぜ受け取れないんだ」「感謝の気持ちを受け取れないなんて冷たい対応だ」「年寄りの気持ちを踏みにじる」など、怒ったり、必要以上に残念そうにする人もいるのが現j津です。

また、自分が固辞した後で訪問した別の看護師が受け取ってしまい、全く悪くない自分が気まずい思いをすることもしばしばあります。

看護師がお礼の品を断って、怒られるのは理不尽に感じますが、年配の方は「お礼の品、贈り物を断るのはマナー違反、失礼な行為」と認識していることが多く、断られることは失礼なことをされている、と思ってしまうこともあるのです。

お礼の品、上手な断り方はコレ!爽やかにお断りする方法とは

相手に冷たい印象を与えてがっかりさせないために、上手なお断りができるようになりましょう。

退院時ではなく、療養中にお礼の品を持ってこられた場合、「私たちは〇〇さんが元気な姿でご自宅に戻られるよう、退院するその日まで頑張りたいと思っています。今はお気遣いいただくことが出来ません。早く元気になってくださいね」と、励ましながらお断りする方法が有効です。

高価なお礼の品を持ってこられた場合、「お気持ちありがとうございます。病院にはいろんな患者さんがおられます。

私たちは全ての患者さんに同じように快適に過ごして頂きたいと思っていますし、高価なものを受け取ることは出来ません」とやんわりと経済的に困窮する患者さんの立場をほのめかせるのも効果的です。

個人的に現金を渡して来ようとする患者さんには「私は、お仕事として病院からちゃんとお給料を頂いていますので、お金は絶対に受け取れません」と毅然とお断りするのが良いでしょう。

いずれも、まじめな態度で接することが決め手です。

お礼の品、受け取らざる得ない状況になったら、責任者に報告を

どんな断り方をしても、患者さんご家族がお礼の品を渡すことをあきらめない場合、断って起こってしまった場合、押し付けられるように受け取ってしまった場合、必ず責任者に報告しましょう。

自分一人で抱えてしまうと、トラブルが起こったときに「あの看護師にはお金を渡した」「もっと良くしてくれると思ったのに期待外れ」といった非難を受ける危険性があります。

自分では断り切れない場合は看護管理者に上手く断ってもらう、または受け取ったとしてもトラブルにならないようにしてもらいましょう。基本は、飴一個でも受け取ったら報告を。です。

まとめ

いかがでしたか?

患者さんからのお礼の品は全て受け取ってはいけない、と決めつけている訳ではありません。しかし、見栄や慣習、世間体のためお礼の品を無理して準備する人もいるということも知っておいて欲しいのです。

患者さんとの関係性が、お礼の品を受け取ることで混乱しないように努めたいですね。


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