看護師の常識になりつつあるBiPAP Visionとは?
- 2015/9/7
- ノウハウ・ハウツー
- BiPAP Vision, NPPV, フィリップス・レスピロニクス合同会社
看護師の常識になりつつあるBiPAP Visionとは?
昨今使用症例が増えているVPPVはご存知ですか?NPPVは非侵襲的陽圧換気のことで、気管挿管を行わずマスクを用いて呼吸管理を行う治療法です。
今回はNPPVの代表機種であるBiPAP visionについてご紹介します。
1.BiPAPとBIPAP
ややこしい話ですが、「アイ」が小文字のBiPAPと大文字のBIPAPは別のものを指します。BIPAPはBiphasic Positive Airway Pressureの略で人工呼吸器の換気モードの名称です。
BIPAPは2相性陽圧換気で高圧相、低圧相ともに自発呼吸が自由にでき、高圧相と低圧相の圧力差によって強制換気を得ることができます。
患者さんの呼吸に合わせて気道内圧を保つようにサポートしてくれるので、自発呼吸のある患者さんにとっては負担の少ない換気モードと言えます。
このようにもともとBIPAPは換気モードを指す言葉ですが、後述するBiPAP Visionが有名となり、BIPAP(BiPAP)は非侵襲的の2相式ベンチレーターのことをさす言葉として一般に使用されています。
2.BiPAP Visionの特徴
BiPAP Visionは1997年に発売されたフィリップス・レスピロニクス合同会社製のNPPVの代表的な機種です。
特徴は、呼吸パターンやリークの変化に対し、呼吸ごとに複数のトリガーシステムから最適なトリガーを選択し、常に最適な感度を自動調整して、患者との同調性を高めている点にあります。
大画面表示で波形(フロー、ボリューム、圧)のグラフィック表示や設定情報が見やすくなっており、患者さんの状態をモニタリングしやすくなっています。
機器本体に酸素ブレンダーを備え、吸入気酸素濃度(FIO2)を21 ~ 100%まで設定設定可能です。換気モードはCPAP、S/T、PAV/Tから選択することができます。
ただし、各種モニターが白黒で英語表記のみである点、視認性がよいとはいえない点がデメリットとしてあげられます。また、バッテリーを内蔵していないので移動時には継続使用はできません。
【BiPAP Visionモニタ画面構成】
【BiPAP Visionの回路】
3.V60ベンチレータ
V60ベンチレータはBiPAP Visionの後継機種として発売されてた装置です。トリガー機能が更新され、患者さんの呼吸との同調性が高くより的確に呼吸をサポートできるようになっています。
BiPAP Visionのデメリットであった点も日本語表記、カラー画面、内臓バッテリ搭載とより使い勝手よくなっています。換気モードはCPAP、S/T、PCV、AVPASから選択することができます。
最後に
いかがでしたか?NPPVの症例が増えていくなか、BiPAP Visionを使用する機会はますます増えていくと考えられます。
基本を押さえアラームやトラブルにいち早く気づけるようになりたいですね!