滅菌ガウンや滅菌手袋の着用ポイントのガウンテクニックまとめ
医療現場では、手術時や感染症の患者さんのケア時など、滅菌ガウンや滅菌手袋を着用する機会が多くあります。
しかし、正しく着用しないとその効果は十分得られません。そこで、滅菌ガウンや滅菌手袋の着用の手順(ガウンテクニック)をまとめてみました。
清潔とガウンを着る目的
ガウンは何のために着るのでしょうか?
手術室や無菌室といった清潔区域の中で着る場合は、自分自身のもつ病原体が外に出るのを防ぐためです。また、感染症の患者さんの病室などの不潔区域で着る場合は、自分に病原体が付くのを防ぐためです。
どこで使用するのか、何を守るために着るのかで、その目的が逆になることを覚えておきましょう。
目的が変わることで、清潔・不潔とみなされる場所も変わってきます。清潔区域においては、ガウンの内側を不潔とみなします。
その近くの襟ぐりの周囲10~15cm、襟紐も不潔として扱うことになっています。逆に、不潔区域ではどうでしょうか。
自分自身が感染しないため、そして感染症の媒介者にならないために着用しているので、ガウンの外側が不潔で、内側と襟ぐりの周囲、襟紐が清潔であるとされます。
目的が逆になることで、同じ部分でも清潔か不潔かが変わってくるので、まず着用する目的をしっかり覚えるようにしたいですね。
ガウン着用手順
まず、襟紐を持ってガウンを広げます。他の人に持ってもらいながら袖を通し、腰や襟の紐を結んでもらいます。
自分だけで着ると、紐などがしっかり結べなかったり、隙間が空いたり、滅菌面に触れてしまったりします。必ず他の人に手伝ってもらうようにしましょう。
脱ぎ方も重要です。首紐と腰紐をほどいたら、ガウンの袖から腕を抜きます。この時外側に触れないように注意しましょう。ガウンの外側を内側に巻いて、束ねて感染性廃棄物として処理します。
滅菌手袋着用手順
滅菌手袋は、手首部分を折り返した状態で個包装されています。まず、中の手袋に触れないようにしながら、端を持って袋を開きます。
折り返し部分の端をつかみ、折り返しの付いたまま利き手ではない方の手にはめます。手袋をした方の手でもう片方の手袋の折り返しの内側に指側から手を入れて、もう片方の手に手袋をかぶせます。
折り返しがあることで、清潔面である手袋の外側を素手で触ることなく着用することができます。
外し方もチェックしておきましょう。まず、手首には触らないように手袋をつまみ、手袋を外します。この時も、汚染部分である外側が内側になるように丸めます。
手袋をしている手で外した手袋を持ち、もう片方も外します。感染性廃棄物として廃棄した後、手指の消毒も忘れないようにしましょう。
最後に
いかがでしたか?ガウンの着用テクニックについてまとめてみました。滅菌ガウンや手袋以外にも、滅菌布や滅菌袋などがありますが、清潔な側を素手で触らないという考え方は同じです。
正しく着用することで、患者さんも自分も感染症から守ることができます。着用の手順と同時に、その意味合いもしっかり覚えておきたいですね。ご参考になれば幸いです。