先輩看護師に聞きたい!看護師の初任給・手取りは?残業代は出るの?
慣れない環境で緊張しながら頑張った一か月、初任給には夢がふくらみますよね。
看護師は一般的にお給料が高いというイメージがあるようですが、初めてもらうお給料、実際にはどれくらいもらえるのか赤裸々に報告します。
<おすすめ記事セレクション>1.ずばり!看護師の初任給は高い
日本看護師協会によると、看護師の予定初任給は、高卒+3年過程卒(看護専門学校卒)で平均給与総額は約26万円、大学卒で約27万円となっており、スタートから大学卒のほうがやや高くなっています。
では他の職種とくらべてみるとどうなのでしょうか。厚生労働省発表の「平成24年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」によると、大学卒の初任給(男女計)は高専・短大卒では約17万円、約19.7万円、となっています。
看護師と労働者全体を比較すると大学卒で約7万円、高専・短大卒(高卒+3年過程卒)では約9万円の差があります。実際に比較してみると、看護師の初任給の高さは目をみはるものがあります。
初任給の比較
看護師平均 | 全職種平均 | |
---|---|---|
高専・短大卒(高卒+3年課程卒) | 262,074円 | 170,100円 |
大学卒 | 270,200円 | 199,600円 |
2013年 病院における看護職員需給状況調査
平成24年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況
2.初任給とは
初任給とはよく聞く言葉ですが、実際には何を指すかご存知ですか?厚生労働省は上記の調査で初任給を「通常の勤務をした新規学卒者の所定内給与額(所定内労働時間に対して支払われる賃金であって、基本給のほか諸手当が含まれているが、超過労働給与額は含まれていない。)から通勤手当を除いたもの」と定義しています。
つまり初任給は基本給に住宅手当、家族手当、地域手当などの諸手当を含んだものになります。
日本看護協会の調査によると看護師の初任給の内訳は次のようになっています。平均基本給与額もやや高めではありますが、平均給与総額でどんと額が上がっていることに気がつきます。
看護師にあって他の職種には少ない諸手当といえば・・・、そう「夜勤手当」です。看護師の給与は夜勤手当に支えられているといっても言いすぎではないと思います。
病院・施設により差はありますが、2交代制の夜勤手当は概ね1~1.5万円くらいですので、月4回夜勤をしたとすると4万~6万円ほど月収があがります。
逆に言えば、夜勤手当のない外来やクリニック勤務の給与は、普通の会社員やOLさんと大きく変わらないとも言えるでしょう。
看護師の初任給
平均基本給与額 | 平均給与総額(税込み) | |
---|---|---|
高卒+3年課程卒 | 197,689円 | 262,074円 |
大学卒 | 204,683円 | 270,200円 |
3.実際にもらえるのはどのくらい?
初任給から税金、健康保険料、雇用保険料、厚生年金などが引かれた金額が、実際の手取りになります。
とてもおおまかな計算になりますが、税込額の20%ほどが天引きされると考えてもらえばよいと思います。ですので、実際にもらえる初任給は20~21万円ほどになります。
入職したての4月は夜勤回数も少ないことが多いので、実際はもう少し少ないかもしれません。ちなみに、住民税は前年の収入を基に計算されますので、1年目では徴収されず2年目から徴収されることになります。
昇給額によっては、2年目のほうが1年目よりお給料が少ないという悲しい事態もありえます。
4.残業代は出るの?
これは病院・施設によって様々です。全額出るところもあれば、1日2~3時間残業してもつかないところもあります。
タイムカード制で働いた分がきっちり出るところもあれば、上司の許可がいる申告制でなかなか申告しにくい雰囲気のところもあります。
ちなみに私が働いていた400床の総合病院は申告制で仕事量や突発的な出来事(急変対応など)で明らかに残業が発生する場合は申告していました。
月の残業時間は5時間程度、1日30分に満たないサービス残業はほぼ毎日ありました。私の母の働いていた200床ほどの総合病院は17時になるとみんなきっちり帰っていたそうです。
友人の働いていた大学病院は1日4~5時間の残業は当たり前、月の申請できた残業時間は30時間ほどだったそうです。
新人さんは特に自分の力量で仕事が終わらなかったから・・・と申告しにくいと感じている方が多いようです。
最後に
いかがでしたか?約20万円の初めてのお給料、高いと思うか低いと思うかは人それぞれかもしれません。あくまで平均額でお話をしましたので、施設や地域によっても差があります。
看護師のお給料は専門学校卒・女性の収入から考えると、全国平均よりはるかに高いです。
でも夜も眠らず、肉体労働で責任も大きい職業ですから、もっともらっていいじゃない!多くの看護師さんはそう思っているのではないでしょうか。