これって看護師の仕事？医者の仕事？看護師の業務範囲とは

病院では医師に薬剤師、看護師や助産師と多くの人が働いています。これらの人の業務は、法律などで厳密に区分されています。看護師の業務範囲についてまとめてみました。

看護師の業務範囲

看護師の主な業務は、傷病者や褥婦（産前産後の女性）に対して療養上の世話をしたり、診療の補助を行ったりすることと定められています。

医療行為については、医師の指示のもとでないと行えないと規定されています。動脈内注射など、患者さんの体への影響が大きい行為は医師の業務とし、看護師は行えないようになっています。

看護師の業務は、法改正や厚生労働省からの通知によって徐々に拡大する傾向にあります。以前は静脈内注射も医師が行う医療行為で、看護師はできませんでしたが、2002年の厚生労働省からの通知で、診療の補助行為の範疇として取り扱われることになりました。

2007年の通知では、「在宅等での定期的・常態的な薬剤の投与量の調整」「休日や夜間における救急来院者の診療の優先順位の判断」も診療の補助行為に加えられました。

サポートを行うだけでなく、看護師自ら判断することも加わってきたということですね。看護師に求められている役割が拡大してきているので、それに応えられるよう、知識や技術を磨いていかなければなりません。

業務独占

業務独占とは、ある業務に対して、その資格を持っている者しかできないということです。看護業務は看護師しかできませんし、助産業務も助産師しかできません。医師の指示があっても、看護師が助産行為をすることは禁じられています。医師や歯科医師、薬剤師なども業務独占資格です。

これに対し、保健師は業務独占資格ではありません。管理栄養士や社会福祉士などが保健指導を行うこともあります。これは、保健師の業務が幅広いことや、関係するさまざまな職種の人が対象者をサポートする必要があるということが理由になります。

名称独占

では、誰でも保健師を名乗れるということかというと、そうではありません。保健師は名称独占資格なので、保健師の国家資格に合格し、免許がなければ保健師と名乗ることはできません。

名称独占資格とは、資格がなくてもその業務に従事する事はできますが、資格取得者のみ特定の資格名称を名乗ることができるという資格です。

資格がない人は、保健師を名乗ることはできないし、紛らわしい名称を使うこともできません。助産師や看護師、医師などの業務独占資格にも名称独占が含まれており、資格がなければ助産師や看護師を名乗ることはできません。

保健師・助産師の免許付与要件

2006年の法改正で、保健師・助産師の国家試験に合格しても、看護師免許を持っていないと保健師・助産師の免許は取得できないことになりました。これらの職業を目指すには、まず看護師免許が必須になったのですね。

最後に

いかがでしたか？看護師の業務範囲や、業務独占・名称独占についてまとめてみました。法改正などで業務範囲が変更になり、できることが増える一方看護師に求められるものや責任も大きくなっています。このような変更にも適応できるよう、常に知識や技術を向上させられるように勉強していきたいですね。