静脈内注射する際の手順と注意点まとめ

静脈内注射する際の手順と注意点まとめ

静脈内注射は、静脈に直接薬液を注入する注射です。ここでは、静脈内注射の用途や手順、注射全般の注意点についてまとめてみました。

静脈内注射を用いる時

静脈内注射は直接薬液を血管に入れるので、薬が効くまでの時間が非常に短く、素早く薬効を得たい場合に用います。

静脈内注射には、点滴と、注射器で行うワンショットの注射があります。点滴の方が一定量を持続的に投与することができます。

また時間をかけて大量の薬液を投与できるというメリットもあります。ワンショットの注射は効き目が早く出ますが、薬効の持続時間は短いので、持続的な薬効を期待するような場合は不向きです。

薬液の種類や目的で使い分けるので、違いを覚えておきましょう。

静脈内注射の手順

点滴静脈内注射の場合、注射針と輸液ボトルや輸液バッグをルートでつないで点滴を行います。関節やその付近は曲がるためなるべく避けます。

ワンショットの場合は、採血と似ていて、15~20度の角度で穿刺し、注射器から薬液を注入します。

ただし、穿刺をした後に駆血帯を外してから薬液を注入するのが採血との違いです。駆血帯を外してから薬液を注入することで、スムーズな投与が可能になるので、覚えておきましょう。

いずれの場合も、注射後にもむことはしてはいけません。止血の妨げになり、穿刺部から感染する場合もあります。

点滴やワンショットの開始後に、その周囲が腫れたり中枢側が赤くなったりしてきた場合は、危険なアレルギー反応や、薬液の血管外漏出や静脈炎の可能性があるので、直ちに中止するようにしましょう。

動脈に注射をすることはあるの?

動脈に注射する方が、効き目が早く出るのでは?と思った方はいるでしょうか。動脈への注射は、失敗した場合のリスクが非常に高いので、ごく限られた場合に行います。

動脈内注射、動脈採血は、いずれも医師の仕事です。抗がん剤など侵襲の大きい薬剤や、血栓溶解剤などで、局所にだけ効果を発揮させたいような場合は、その部分に血液を送る動脈内に直接投与する場合があります。

注射の際の注意点まとめ

注射を行う前に、患者さんの状態をよく確認し、把握します。

注射の前には、注射実施表等で薬剤や注射器具について6Rを確認します。6R=6つのRightの確認とは、時間・目的・方法・量・内容・名前が正しいかを確認することです。確認の方法は指さし呼称が基本です。

注射時には、患者さんに氏名を言っていただき、本人確認をします。患者さんが自分の名前を言えない場合には、ネームバンドで名前を確認します。

ベッドの名札では不十分です。本当にその患者さんがそのベッドの人かわからないためです。

注射後は、異常と思われる症状や、注射実施前からの変化がないかをよく観察し、ある場合は早期に対処することが大切です。

使用した物品は医療廃棄物として適切に処理しましょう。注射前後の手洗いも忘れないようにします。

これらは、静脈内注射だけでなく、筋肉内注射、皮下注射にも共通して注意することです。何度も確認をして、間違いのないようにしましょう。

最後に

いかがでしたか?静脈内注射のポイントについて、また注射時全般の注意点についてまとめてみました。点滴とワンショットの使い分けについてはよく確認しておきたいですね。

注射の際の注意点のまとめの中では、何度も確認という言葉が出てきましたね。思い込みや確認不十分なまま注射をすることは、誤った薬や、別の人のものを投与するなどの大変な医療事故につながります。

繰り返し、声に出して指さし確認することでこのような事故を防げるので、怠らないようにしたいですね。


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