注射で血管が出ない時に試す6つの方法

注射で血管が出ない時に試す6つの方法

採血や点滴のための留置針キープなどの技術は、新人看護師が最も苦手とする技術のひとつだと思います。

新人のときはできなかったルートキープも、回数を重ねれば必ず上手になります。それでも、細かったりもろかったり蛇行していたりと絶望的になるほど難しい血管があることも事実です。

そのようなときに試す方法を6つ紹介します。

1.血管選びが重要

1にも2にも血管選びが重要です。最初の頃はよく見えている血管を選んでしまいがちですが、見えている血管は柔らかくもれやすいことがあります。

血管は見た目だけでなく、実際に触って弾力、太さ、走行(蛇行しておらず、まっすぐな血管がよい)などから良い血管を選びましょう。表面には見えなくても深いところに良い血管があることもあります。

患者さんのためにもできるだけ1回で成功したいので、血管選びにはしっかり時間をかけて構わないと思います。

2.血管を温める

ホットパックで血管を温めましょう。ホットパックがない場合は、ホットタオルなどで代用します。1~2分ほど温めると今まで見えてこなかった血管が怒張して見えてくることがあります。

このとき熱すぎないように、低温火傷には十分に注意してください。

3.血管をマッサージする

駆血した後、末梢から中枢(腕であれば指から肩へ向かう方向、下から上へ)にかけて、血管をマッサージします。

静脈には逆流防止のための弁があるので、駆血後末梢から中枢にマッサージすることで血液がよりうっ帯し、怒張しやすくなります。

4.クレンチングをしてもらう

通常も駆血したあと手を握ってもらって血管を怒張させますが、それを何度か開いて握ってとしてもらいます。これをクレンチングと言います。その動作によるポンプ効果で血管がうっ帯し怒張してきます。
 
※採血の場合にはクレンチングは血液データに影響を及ぼしますので、行わないようにしてください!

5.心臓より低い位置にして駆血帯を巻く

腕に針を刺すのであれば、いったん針を刺す場所を心臓より低くして、腕を下げた状態で駆血帯をしめます。

心臓より低い位置では血液が心臓に戻るために抵抗があるので、血液がうっ帯しやすくなります。

その原理を利用して、血液をうっ帯させた状態で駆血帯をしめることにより、血管を怒張させやすくします。

6.先輩の技術を盗む

方法に数えていいかわかりませんが・・・。ダメなときは上手な先輩に代わってもらいましょう。無理に続けることは、患者さんにとって苦痛になります。

先輩に代わってもらったときは、血管選びから針の刺入角度、針を刺す深さ、皮膚のテンションのかけ方など全てを盗む勢いで見学しましょう。

実際に針を刺す前に先輩の選んだ血管を触らせもらうのもいいと思います。こんなところに血管があったのか!という血管を名人は探し出してきます。

7.駆血時間に注意

血管を怒張させたいあまり、長く駆血してしまうことがあります。駆血時間を長くしすぎると、血液凝固を起こし正確な血液データが得られなばかりか、皮下出血や末梢神経障害を起こす危険もあります。

駆血時間は長くても2分程度にしましょう。駆血帯を直接皮膚に巻くと皮ふが巻き込まれて痛いので、服の上から巻くようにするのも気づかいのひとつです。

8.最後に

看護師の中には糸のような血管に刺すことができる神業を持った人がいます。上手な方には、このタイプの血管にはこうアプローチするといった自分なりの方法があるようです。

その領域に達するには、何よりも経験です。失敗を恐れずにと書くと語弊がありますが、失敗を糧にレベルアップしていきましょう!


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