意外と知らない点滴時のボトルやラインの扱い方
長時間点滴をしている間に、着替えをすることもありますよね。
このような時は、どんなことに注意してボトルを扱えばいいのでしょうか。
また、ラインに空気が入ってしまった時はどうすればいいのでしょうか。
意外とわからない、点滴時のボトルやラインの扱い方についてまとめてみました。
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点滴ボトルの位置
点滴のボトルはできるだけ刺入部より下げないようにします。刺入部より下げると、静脈圧や比重の違いによって、血液の逆流が起こるためです。
ラインの中に血液が逆流してしまうと、その血液が固まってラインが閉塞する危険があります。やむを得ず下げる場合はできるだけ短時間にし、戻した後は滴下状況を確認します。
看護師が患者さんの寝衣交換の際、一人が服を脱がせて、もう一人がボトルを持ち上げているという光景を見たことはありませんか?
ボトルが下がってしまわないよう、このようにサポートする必要があるので、病院に行く機会があれば観察してみましょう。
寝衣交換時の扱い
寝衣交換の時は、点滴をしている方を患側とみなして、健側から脱がせるようにします。輸液ボトルは手の延長と考えるとわかりやすくなります。
脱ぐときは袖口から輸液ボトルを通して襟元から出し、着る時は肩の方からボトルを通します。
着脱後に点滴速度が変わってしまうことがあるので、寝衣交換が終わったら、点滴速度の確認と刺入部の観察も忘れないようにしましょう。
袖を通すときなど、やむを得ずボトルを上げ下げすることもあるので、できるだけスムーズに着脱ができるといいですね。
空気が入ってしまった時は
点滴をしていると、ラインに気泡が入ることがあります。輸液剤が温まることで液体に溶けていた空気が出てきたもので、気泡のある部分を指ではじけば取り除けます。
通常の輸液で自然発生する程度の気泡は、もし体内に入っても自然に排出されたり血液に溶けたりするので問題ありませんが、できるだけ取り除くようにします。
大量に空気が入ってしまうと、空気が塞栓になって血管を詰まらせる危険があります。
空気に限らず、輸液に脂肪製剤を入れる場合なども、他の薬液と混ぜると固まる危険があるので、注意が必要です。
別のラインを使うか、生理食塩水で洗い流すなどして、他の薬品と混ざらないように使います。
最後に
いかがでしたか?点滴時のボトルやラインの扱いについてまとめてみました。
点滴なんて簡単そう、と思っていた方もいるかもしれませんが、適切に扱わないと、塞栓や逆流といった怖いトラブルのもとになり、場合によっては命にも関わります。
着替えの際上の方に持つ、ラインの空気をこまめにチェックするなど、ちょっとした扱いの中にも、患者さんを危険から守るための理由が隠れています。
意味を知れば、納得して覚えられますね。患者さんにも説明できるように、しっかり頭に入れておきましょう。お役にたてば幸いです。