プライバシーに配慮!看護師が守るべき個人情報とは
近年、様々な場面でプライバシー保護の重要性が高まっています。医療現場も例外ではなく、医療従事者一人一人にも、医療機関にも、患者さんの情報を適切に扱うことが義務付けられています。
患者を守る看護師の守秘義務
看護師としては、どのように患者さんの個人情報を取り扱えばいいのでしょうか。
看護師の守秘義務は、2001年に保健師助産師看護師法が改正された時に、新たに盛り込まれています。その中で、「保健師、看護師又は准看護師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保健師、看護師又は准看護師でなくなった後においても重要とする(第42条の2より)」と規定されています。看護職についている間はもちろん、退職した後でも守秘義務を守らなくてはならないということですね。
また、患者さんが亡くなった後でもその情報を漏らしてはいけません。医療従事者同士でなら大丈夫かと思うと、そうではありません。事例検討の資料や学校での実習記録などでも、患者さんのプライバシーは守らなくてはなりません。
氏名や生年月日など、個人を特定できるような情報をそれらの資料に入れないよう配慮する必要があります。学校によっては、これらの資料を使用後教師が回収してシュレッダー処理する所もあります。それだけ慎重に取り扱わなくてはならないということですね。
例えば、患者さんのご家族を名乗る方から、入院している患者さんについてお電話がかかってくることがあります。普通の感覚ならお問い合わせにすぐ答えてしまいそうですが、簡単に判断して話してはいけません。確かにその患者さんのご家族であるということが認められない限りは、患者さんの情報を不用意に伝えてしまうと守秘義務違反ということになります。
最近、若い人を中心に業務上知った情報をSNSやブログなどで投稿する人がいますが、看護師にとっては決してあってはならないことです。守秘義務に違反した場合は、6か月以下の懲役か、10万円以下の罰金に処せられます。
個人情報保護法
これに対して、個人情報保護法というのは、個人情報取扱事業者である医療機関に対してその取り扱い方を定めたものです。
主な事項としては、「個人情報を取り扱うにあたり、その利用目的をできるだけ特定すること」「特定の利用目的以外の個人情報の取り扱いの禁止」「第三者へのデータ提供の禁止」などがあります。
この法律では小規模の事業者(個人情報の保有件数が過去6カ月以内のいずれの日においても5000件を超えない事業者)は対象になりませんが、厚生労働省の「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン(2004年)」において、小規模の事業者もこれらの取り扱い方を守るよう求めています。
医療や介護の現場で得られる個人情報というのは、それほど患者さんにとって重要であるということですね。
最後に
いかがでしたか?患者さんのプライバシーを守る法律についてまとめてみました。医療従事者個人としても、事業者としても、患者さんの個人情報をどう扱うかということが厳しく定められています。それぞれ十分に理解して、適切な対処ができるようにしたいですね。