点滴と言っても実はいろいろある!点滴の種類6選

点滴と言っても実はいろいろある!点滴の種類6選

入院のイメージとして浮かぶもののひとつに点滴があると思います。

実は点滴の種類はたくさんあることをご存知ですか?点滴は実に奥が深いですが、今回は入門編として水分補給・電解質補正に使われる代表的な点滴の種類を紹介します。

1.点滴の目的

私たちの体は食事や水分を取ることによって、必要なエネルギー、栄養分、電解質、ミネラルを摂取し生命維持がされています。

体調不良や手術などの理由でそれらが摂取できなくなったり、または大量出血や火傷、下痢・嘔吐などで体外にそれらが大量に出て行ってしまうなどすると、私たちの体は生命維持のための必要なバランスが保てなくなってしまいます。

そうなってしまった場合に体内の恒常性(ホメオスタシス)の維持のために行われるのが輸液療法です。

ちなみに輸液とは静脈内に投与される50~100ml以上の注射剤のことを言います。輸液の目的は主に①静脈確保、②体液維持または補正、③栄養療法で行われています。

2.等張液(等張電解質輸液)

生理食塩水やリンゲル液(ラクテック®、ソルアセト®、ヴィーンF注®、フィジオ140®など)の製剤です。

体液と同じ浸透圧を等張、それ以下を低張、それ以上を高張と言います。等張液を輸液した場合、浸透圧と細胞外液が等しいため細胞内への水分の移動は起こらず、細胞外液量を増やすことができます。

手術や大量出血などの緊急時に等張液が使われるのはこのような理由からです。

等張液を輸液することで血管内の血漿量を増やし、体内循環量を保つ、すなわち血圧を維持することができます。

3.低張液(低張性電解質輸液)

ソリタ、ソルデムなどの商品名でそれぞれ1~4号液があります。

①1号液

開始液と言われる輸液で、カリウムが含まれていないことが特徴です。緊急時など病態が不明な場合に用いられ、ナトリウムは生理食塩水の2/3程度含まれています。

入院当初は1号液から開始し、状態が落ち着く・病態が判明するなどした場合3号液に変更されるケースがよくあります。

②2号液

脱水補給などに使用され、カリウムが含まれています。あまり使用されることはないように思います。

③3号液

維持液と呼ばれ、必要な電解質をバランスよく含んでおり臨床でもよく使用される輸液です。

3号液500mlで成人1日に必要なナトリウムとカリウムを確保することができ、必要な水分・電解質を補給することができます。電解質輸液製剤では一番よく使用される製剤です。

④4号液

3号液からカリウムを除いた輸液で、1~4号液の中で最も電解質が少なく小児や高齢者など腎機能が低下しているケースや高カリウム血症のケースにも使いやすい製剤です。

4.水分輸液剤

水分を補給するための輸液で5%ブドウ糖液などを指します。何も含まれていない水分だけの液体では浸透圧を保つことができず、目的の水分補給ができません。

5%ブドウ糖液は電解質を含まないため、ナトリウムをあまりとりたくない心不全のケースなどに用いられます。

■その他の製剤

その他栄養補給のために使用されるアミノ酸製剤(ビーフリード®、アミノフリード®など)、脂肪製剤(イントラリポス®、イントラファット®など)、高カロリー輸液製剤(フルカリック®、ハイカリック®など)、循環血漿量保持のために使用する血漿増量剤(デキストロン®、ヘスパンダー®など)などがあります。

■患者さんから多い質問

私は消化器内科に勤務していましたが、絶食治療のため点滴治療をしている患者さんが多くいました。

患者さんやご家族によく聞かれる質問のひとつが「この点滴には何が入っているの?」というものです。

先に記したように輸液は水分と電解質補給のために行うのですが、この電解質というものがなかなか理解しにくいようです。

私は「スポーツ飲料みたいなものですね。」とか「水分と必要な栄養素が入っています。」と答えるようにしていました。

次によく聞かれた質問が「これ(点滴)だけで足りてるの?」という質問です。

成人で500mlの輸液4~6本くらいが施行されることが多いですが、3号液で100~200kcal、アミノ酸製剤でも200kcalくらいなので実は摂取カロリーとしては不足してしまいます。

そのため、長期で絶食となる場合は高カロリー輸液を使用したり脂肪製剤を使用したりします。

患者さんは入院当初は体調が悪いので絶食でも大丈夫ですが、徐々に元気になってくるとやっぱりお腹がすく人が多いようでした。

最後に

なんとなく施行してしまうことが多い輸液ですが、何のために輸液されているのかを考えてみると少しずつ理解が深まるのではないでしょうか。

静脈から投与される製剤には混合できないもの、輸液速度に注意が必要なものなど取り扱いに気をつけなければならないものがたくさんありますので、初めて使用する薬剤は禁忌事項を確認してから施行すると安心ですね。


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