時短勤務の看護師と働く「あなた」のストレスとその対策とは

時短勤務の看護師と働く「あなた」のストレスとその対策とは

常勤看護師として夜勤、日祝勤務もこなしバリバリ働いていた看護師も、結婚し子育て時期になるとそうはいきません。家族や夫の協力があったとしても、100%の力で仕事に没頭することは難しくなります。

以前は、常勤雇用からパート・非常勤へ雇用条件を変更せざるをえない場合が多かったのですが、最近は「時短職員制度」を導入し、働く時間を制限しながら、常勤の雇用条件で勤務できる病院、クリニック、施設も増えてきました。

「働き続ける」という観点からは素晴らしい事だと思います。

しかし、時短職員が多い現場の看護師からは、

  • 「フルで働ける自分達に負担が偏っている」
  • 「残業なく早く帰れて休みも多い、不公平」
  • 「制度は理解しているつもりでも、一緒に働きたくない」

など、ちょっとネガティブな声も多いのが事実です。

今回は、時短職員と働く看護師のストレスとその対策について考えてみました。

私ばかり損してる?!時短勤務看護師と働くストレスとは

子どもを保育園に送ってから出勤する関係で、始業は9時から。終業は15時か16時まで、といった時短勤務看護師さんも多いと思います。

基本的には残業なしで帰れるため、子どもを迎えに行きやすい、家事に支障がない、といった働き方です。

同じセクションで働く通常勤務の看護師からは、「一番忙しい時間にいない」「緊急入院の受け入れや、残業になりそうなことは全部こっちに回ってくる」という不満の声があることは珍しくありません。

同じ常勤看護師として勤務しているにも関わらず、「委員会活動無し」「会議の出席無し」「残業なし」「看護研究の担当無し」といった条件も不満の原因です。

これらの不満の本音は「私ばかりが損している」という感情でしょう。

時短勤務看護師が働ける組織=働き続けやすい組織と捉えよう

女性の一生で、家事や子育てのために仕事をフルでこなせない時期は、長くて約10年間です。20代前半から65歳の定年までの40年間のうちの1/4です。

これを長いととらえるか、短いととらえるかは感性の違いではありますが、フルで働ける期間の方が長いことは事実です。

やりがいと使命感を持って仕事を続けるために、少し労働時間を削ってでも働き続けたい。そのための支援がある組織は「働き続けやすい組織」と言えるでしょう。

今はフルで勤務している方も、子育て・配偶者の病気・親の介護、自分の病気など人生で遭遇する様々なイベントによって働き方を変えるときが来るかもしれません。時短勤務看護師はまさに今がその時なのでしょう。

いつかは自分が時短勤務看護師になるかもしれない、そんな時が来るかもしれない、と思えばちょっと心が楽になりませんか?

時短勤務は基本給、賞与の減額有り、同じ賃金体系ではないと理解して

時短勤務は、各職場の規定によって、基本給・賞与の減額があります。遅く出勤する、早く帰る、だけではないのです。また、残業しない事で「超過勤務手当」はありません。

フルで働いている職員と、「常勤」という身分は同じ立場でも、賃金体系は別形態であり、勤務時間が短いことと引き換えにしている面もあるということです。

常勤看護師としてフルで働けなければ辞めるしかない、といった職場は常に人員不足に喘ぐことになります。時短勤務看護師が早く帰れることを「ズルい」と考えず、そういった条件でしか働き続けられないから今は仕方ない、と考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたか?

同じ常勤でもフルタイムで夜勤もこなす看護師と、時短勤務看護師が混在する職場でありがちなストレスと、対策について考えてみました。

人はそれぞれ、置かれた立場が違います。どんな立場であっても「働き続けたい」という意思を持て集まったメンバーなのですから、それぞれの立場を尊重していきたいものです。子育て、介護などをしながらも働き続ける人を大切にすれば、自分の番が来たときはきっと大切にしてもらえるものです。

一緒にがんばりましょう。


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