正確な診断に欠かせないフィジカルアセスメント5つの条件
- 2015/11/16
- ノウハウ・ハウツー
- フィジカルアセスメント, プライバシー, 環境
正確な診断に欠かせないフィジカルアセスメント5つの条件
患者さんの様子を正確に把握するためには、環境の整備も欠かせません。
不適切な環境で診察を行っても、十分測定ができなかったり、患者さんに無用の負担を与えてしまったりする場合もあります。
フィジカルアセスメントに適した環境についてまとめてみました。
室温
18~22℃が適温です。いずれの診察法でも服を脱いでもらう場合が考えられるので、脱いでも寒くない温度に保つことが大切です。
暑くなりすぎても心拍数などに影響が出てしまうので注意します。
照明
十分観察できる程度の明るさが必要です。病院内の室内の照度は普段100~200ルクス程度に保たれています。
普段のケアや観察はこの明るさで十分ですが、手術室や緻密な手技が必要な検査室、口腔内診察を行う時はさらに高い照度が必要になります。
室温や照明は患者さんの好みが分かれ、少し暗くしていないと落ち着かない方や暑がりの方など、様々なご要望があります。
休まれる時などは基本的に患者さんのご希望を尊重したいものですが、診察時など必要な時には患者さんの安全・安楽を考慮して環境の整備を行うのも看護師の重要な役割です。
患者さんに説明して同意を得た上で、適した温度や明るさに調整しましょう。
騒音
物音がしていると、聴診などが十分行えません。患者さんも落ち着かないかもしれません。できるだけ静かな環境で診察をします。付添いのご家族やお見舞いの方にも、ご協力をお願いします。
気を付けておきたいのが、ひそひそ話です。例えば、看護師同士が近くでひそひそ話している小さな声が聞こえてくると、自分の話ではないかと不安になりますよね。
不安を感じられると心音などにも影響が出るため、リラックスできるよう周囲に気を配りましょう。
プライバシー
自分の検査の数値や病状などが周囲に丸聞こえになってしまうと、いい気はしませんよね。
他の患者さんから離れた安心できる環境で診察を行うようにし、必要以上に大きな声を出さないようにします。
複数人の入院患者さんがいる病室でも、カーテンを使うなどしてできるだけプライバシーを尊重できるようにしましょう。
羞恥心
診察の際、体の一部を出してもらう必要があることは少なくありませんが、その際周囲から見られないようにすることはもちろん、医師や看護師だけの場面でも、必要以上の露出を避け、必要であればタオルなどで隠す配慮が大切です。
特に、高齢の女性などは、こちらが思う以上に他人に肌を見せることに抵抗を持っている場合もあるので、患者さんに恥ずかしい思いをさせないよう、極力気を付けましょう。
最後に
いかがでしたか?フィジカルアセスメントを行うに当たって気を付けたい環境の整備についてまとめてみました。
場合によっては患者さんやご家族の方にもご理解・ご協力をいただかなくてはならないこともあります。
きちんと説明して同意をいただけるように、自分がしっかり理解しておきたいですね。