これを覚えればOK!点滴の滴下数の計算式
点滴の滴下数は、簡単な計算式で導き出せるのですが、間違ったら大変なことになるので、緊張してわからなくなってしまう方も多いようです。
そんな時にも慌てない、点滴の滴下数の計算式をご紹介いたします。
点滴指示書に書かれているパターンはだいたい3種類です。その書き方のポイントをつかめば、簡単に点滴の滴下数の計算式が導き出せるでしょう。
そして単純な計算ミスをしないためにも、常に計算機を持ち歩き、複数回確認するように癖をつけるのがおすすめです。輸液ゲージでダブルチェックも行うようにしましょう。
指示書パターン1
点滴指示書に ○○輸液500ml 60ml/h と書かれている場合には、1時間に60mlという速さがわかっています。
1本約8時間かかりますので、大人用1mlが20滴なら1時間1200滴で、1分間20滴となります。
指示書パターン2
点滴指示書に ○○輸液500ml 1日3本 と書かれている場合には、1日に3本という総量がわかっています。
ということは1時間あたり62.5mlということがわかり、大人用1mlが20滴なら1時間あたり1250滴となり、1分間あたり約20.8滴となります。
指示書パターン3
点滴指示書に ○○輸液500ml 3時間かけて と書かれている場合には、1本あたりにかかる時間がわかっています。
1時間あたり約166.6mlということがわかり、大人用1mlが20滴なら、1時間あたり3332滴となり、1分間あたり約55.5滴となります。
1分間の点滴の滴下数の計算公式
1分間の点滴の滴下数を計算するには、全体の輸液量をかかる時間で割ります。それに大人用1mlが20滴の輸液ラインなら20をかけます。子供用1mlが60滴の輸液ラインなら60をかけます。
公式にすると
全体の輸液量(単位:ml)÷かかる時間(単位:分)×1mlあたりの滴下数(大人用なら×20滴、子供用なら60滴)
となります。
口頭で指示された場合
指示書の内容から導き出す点滴の滴下数の計算式は上記のとおりですが、口頭で指示されることもあります。口頭で指示されると戸惑ってしまうかもしれませんが、考え方は同じです。
例 ヴィーンFを1日6本 と言われたとしましょう。
500mlのボトルを1日6本ということは、1本あたり4時間かけて落とすことになります。
500mlを4時間ということは、1時間あたり125mlとなり、大人用1mlが20滴とすると、1時間あたり2500滴となり、1分間あたり約41.6滴となります。
60秒間で41.6滴ということは、1秒間で約0.7滴となり、3秒間で2.1滴となるのです。
つまり3秒で2滴くらいという結論にたどり着きます。
慌てずに落ち着いて考えれば大丈夫ですので、自分でわかりやすいようにメモを取りながらでも良いですし、計算機と輸液ゲージなどを使いながら、計算とチェックを行いましょう。
まとめ
初めのうちはむずかしく感じるかもしれませんし、自分で練習している時はできるのに、本番になるとわからなくなってしまうこともあるでしょう。
そんな時も慌てずに考えればきっとできるはずです。自信を持ってできるようになるまで、ひたすら練習あるのみです。