急病や事故の時に冷静に動ける?一時救命の方法を整理した
病院の内外で倒れている人を見たら、適切に対処できるでしょうか?初めてのことだと動転してしまいそうですが、一時救命は時間との闘いです。
少しの時間も無駄にせず対処できるよう、流れを確認していきましょう。
まずは声をかける
倒れて息をしていないように見える人がいたら、まずは声をかけます。本当に息をしていないかどうか、見ただけではわからないからです。
声掛けに反応して傷病者が声を出せたら、気道が開通していて息ができるということを示します。
話ができる場合は、意識があって、ある程度血圧が保たれているということもわかります。声を出して話すということからたくさんのことを確認できるんですね。
鎖骨のあたりを叩く
声をかけても反応がなければ、次は鎖骨のあたりを優しく叩きます。自分の鎖骨を叩いてみると、振動が体に響くのがわかりますね。
傷病者が倒れた状況が分からない場合は、体を無理に動かしてしまったり強く叩いたりすると、脊髄損傷を起こす危険もあります。
強く揺すったり、頭や首の部分を激しく動かしたりしないよう気を付けましょう。
意識レベルの確認
意識レベルは、JCS(Japan Coma Scale)や3-3-9度方式と呼ばれる方法で表します。これは、日本で最も普及している意識障害を示すスケールです。
まず、意識がある場合はその程度によって1-2-3で表します。刺激を与えなくても覚醒している場合がこれにあたります。
Ⅰ-1は意識清明とはいえない状態、Ⅰ-2は場所がわからないなど見当識障害がある状態、Ⅰ-3は自分の名前や生年月日が言えない状態です。
次に、刺激を与えないと覚醒しない状態は、2ケタの10-20-30で表します。Ⅱ-1はふつうの呼びかけで容易に開眼する状態、Ⅱ-2は大きな声または揺さぶることで開眼する状態、Ⅱ-30は痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すとかろうじて開眼する状態です。
刺激を与えても覚醒しない状態は、3ケタで表します。Ⅲ-100は痛み刺激に対し払いのけるような動作をする状態、Ⅲ-200は痛み刺激で少し手足を動かしたり顔をしかめたりする状態ですが、Ⅲ-300になると痛み刺激に全く反応しない状態です。
国際的にはGCS(Glasgow Coma Scale)という基準が使われています。こちらは、開眼機能4段階、運動機能6段階、言語機能5段階の点数で意識レベルを判断し、各機能の合計で総合的な意識レベルを表すものです。
例えば、開眼機能Eは4:自然に開眼、3:命令すると開眼、2:痛みに対し開眼、1:開眼しないというように、傷病者の状況を振り分けていきます。こちらも覚えておきたいですね。
最後に
いかがでしたか?倒れている人を発見した時にまず行いたい意識の確認についてまとめてみました。傷病者がどのような状態かを把握することで、次に何をすればいいかが明確になります。
急いで対処することがとても大切なので、もし倒れている人を発見したらどうすればいいかをしっかり頭に入れておいて、万が一の時に備えたいですね。