訪問看護の需要はとどまることなし!訪問看護で働くメリットとデメリットとは
特別養護老人ホーム、入所待ちが100人越えといった時代は過去のものとなりつつあるようです。介護保険の自己負担が増え、国の推進する在宅介護の政策が形になり始めたようです。
2016年6月には、特別養護老人ホームの入所待機人数が減少しつつあるというニュースが出ていました。
しかし、高齢者人口が減少している訳ではないので、認知症など、より介護度の高い人が在宅にシフトしていると言えるでしょう。
更に訪問看護の需要が拡大していくと考えられます。看護師の訪問看護ステーションへの就職事情はどうなっているのでしょうか?訪問看護ステーションへの就職のメリットとデメリットについて考えてみました。
訪問看護ステーションの運営の実情とは
訪問看護ステーションは病院やクリニック、特別養護老人ホームなどの経営母体が運営するステーションと、個人経営の小規模な組織が混在している状態です。
訪問看護ステーションの運営には、看護師常勤換算2.5人という要件があります。立ち上げ当初より、この規定人員ギリギリで運営している組織は少なくありません。
この場合、看護師が1人退職すると途端に運営できなくなってしまいます。
労働時間に制限がある非常勤看護師で補うとすれば一人の採用では済みません。人員確保に必死になっているのは、病院やクリニックだけではなく訪問看護も同じかそれ以上なのです。
また、管理者を含んでも3-4人の組織は、1人が退職することにより残る人員への負担が非常に重くなることも特徴と言えます。
訪問看護ステーション勤務のメリットは
夜勤が苦手、夜勤が出来ない看護師でも働ける
訪問看護は原則的に日勤勤務です。
家庭の事情や体調面で、夜勤が苦手または夜勤が出来ない看護師さんも安心して働ける場所と言えます。
医療依存後の高い患者さんや、ターミナルケアの患者さんは夜間のオンコールもあり得ますが、相談できる組織も多いのが現実です。
看護師が主体的に働ける環境でストレスが少ない
訪問看護ステーションは看護師の職場です。
在宅かかりつけ医者、ケアマネージャーや訪問リハビリテーションとの連携は必要ですが、常に同じ食べで働くわけではなく看護師が主体的に判断し働けることが魅了です。
急な残業が少なめで、プライベートな時間が保ちやすい
訪問看護は訪問時間が計画されているため、急変や突発的な事情以外は、就業時間の目途が立ちやすい仕事です。
患者さんの生活スタイルを尊重した看護が出来る
入院中では制約が多くできないような日々の楽しみや、食べたいものも患者さんが自由に選択できます。患者さん、家族の生活をサポートすることにやりがいを感じられることが魅力です。
訪問看護ステーション勤務のデメリットは
1人の看護師にかかる責任が大きい
先に挙げたように常勤換算2.5人の枠組みの中で運営されているため、ギリギリの人員では容易に退職することは不可能です。また、訪問スケジュールがびっちり組まれている場合は、「子供の発熱で・・・」とった理由でも休むことが出来ないのが実情です。
経営不振に陥りやすい
訪問看護は在宅療養に欠かせない分野で、需要は高まる一方です。しかし強固な運営母体がある施設なら別ですが、個人経営のクリニックでは、在宅患者さんの死亡、施設入所や入院、介護度の変更によって収益が大きく変動する可能性があります。
従業員である看護師の退職や休業によって、経営不可能な状況に陥る不安定さがあります。
訪問先の移動があり体力的にきつい
小さな訪問看護ステーションは、ステーション近隣の患者様だけではなく、かなり離れたところに訪問先を持たざるを得ない実情があります。
車の運転が出来ない人や、車移動を想定していない場合は全て徒歩・自転車移動となり大変な負担です。
異動の問題がネックで退職する看護師さんも少なくありません。
まとめ
デメリットもありますが、訪問看護は需要が大きくやりがいがある分野であることには変わりありません。
同じ志を持つ仲間と、患者さんを支援できる喜びは大きいです。
訪問看護での仕事をお考えの方は、長く働ける訪問看護ステーションと出会って頂きたいと思います。