CVポート植え込み手術の必要物品と介助をマスターしよう
CVポートは、抗がん剤投与や在宅療養患者さんに広く普及しています。
CVポート植え込みをどこで行うかは、各病院によって違います。手術室、放射線治療室、または処置室など様々です。
植え込み手術の介助は、手術室の看護師が行うとは限らないため、日ごろ外科的手技に慣れていない看護師が担当するときは、事前勉強が必要になるでしょう。
今回は、植え込み手術の実際について解説していきます。
CVポート植え込みの必要物品
- 1CVポートキット
- 2滅菌ガウン(術者用)、滅菌手袋(術者用のためサイズを確認しておく)
- 3滅菌穴あきオイフ
- 4清潔台用滅菌オイフ
- 5皮膚切開用メス、持針器などの縫合セット
- 6皮膚消毒用綿球と薬剤
- 7滅菌ガーゼ 適量
- 8生理食塩水または、ヘパリン生食(事前に確認しておく)、清潔のピッチャー
- 9局所麻酔薬
- 10ディスポ注射器(10ml)数本、注射針(18G、23G)数本
介助者である看護師は、マスク・ディスポキャップを着用し手洗いを行い、必要時ディスポーザブルガウンを着用しておく。
レントゲン透視下で行う場合は、プロテクターを正しく着用しておきます。
患者様側の準備を行いましょう
植え込み部位は事前に確認しておき、皮膚を清潔にしておきます。入浴出来る方は入浴を済ませます、無理な方は石鹸清拭か洗浄を行います。
テープ類の粘着が残っている場合は必ず除去しておきます。
処置を行う前に、手術・処置同意書に不備がないか、確認しておきましょう。
CVポート植え込みの流れと介助のポイント
①植え込み予定部位を確認し、植え込み予定部位をが露出するように着衣を調整します。
ポイント:消毒液による汚染が無いように体の下に吸水シーツを敷いておきましょう。
②心電図モニターなどを装着します。バイタルサインを測定します。以後適宜測定します。
ポイント:局所麻酔のため、患者さんの不安を和らげるように声掛けをしましょう。処置中は体を動かさないように気をつけていただくよう説明します。
③術者のガウン介助を行います。
④皮膚消毒を行います。
⑤滅菌穴あきオイフをかけていきます。(術者が実施)
⑥清潔台用滅菌オイフの上に、5・7・8・10の物品を清潔操作で用意します。
⑦穿刺部位・ポート埋め込み部位に局所麻酔を行います。(術者が実施)局所麻酔剤は、看護師が持ったアンプルから術者が吸引します。
⑧鎖骨下静脈を穿刺し、逆血を確認した後ガイドワイヤーを挿入していきます。(術者が実施)
ポイント:息苦しさや酸素飽和度の低下が無いか確認しながら介助をおこなう。
⑨レントゲン透視下で、ダイレーターとシースを挿入。CVポートのカテーテル先端が上大静脈に挿入いていきます。(術者が実施)
ポイント:放射線が出ている時は、介助者である自分への被ばくが最小限となるように注意しましょう。
⑩皮下ポケットを作成します。通常、前胸部です。(術者が実施)
ポイント:ポート部分を入れるスペースを作成する皮下ポケット作成は痛みを伴うことが多いため、症状の訴えや患者さんの表情を確認します。
⑪カテーテルとポートを接続し、ポート部分を皮下ポケットに収納します。ポートを縫合固定します。(術者が実施)
⑫⑧の穿刺部分とポート埋め込み部を縫合します。(術者が実施)
⑬レントゲン撮影で、ポート・カテーテルの位置に問題ないか確認します。
ポイント:カテーテルの屈曲や上大脈以外への迷入、ポートの位置異常、気胸が無いか確認します。
⑭滅菌オイフを取り外し、消毒液をふき取り、指示の通り保護を行います。(ガーゼ・フィルムドレッシング等)
⑮最終のバイタルサインを確認します。
⑯あとかたずを行います。
ポイント:清潔野に出した針の数と最終の数があっているか確認ておきましょう。
まとめ
CVポート植え込みの介助は、CVカテーテル挿入の手技と似たところが多いです。不安に感じることなく、落ち着いて介助すれば失敗は無いと思います。
何よりも、患者様は局所麻酔で意識があるということ、多少の痛みを伴うことを理解し、不安なく処置を受けられるように看護していきましょう。