CVポートの適応とは?中心静脈カテーテルと末梢静脈路との違いもポイント
診療科を問わず、CVポートを植え込んでいる患者さんは増えてきています。
でも、実際CVポートって何?看護のポイントが分かり難くて不安、という看護師さんの声を良く聞きます。
体内に植え込まれた医療器具ですから、可視化されたイメージが付きにくいことが原因だと思います。
安心してください、CVポート患者さんの看護に自信が持てるようサポートしていきますよ!
今日は基本的な「CVポートの適応」について解説しましょう。
CVポートと中心静脈カテーテルと末梢静脈路の違いとは
いずれも、患者さんの体内に点滴剤、栄養剤、治療薬を投与する血管を介した経路です。それぞれの特徴を確認していきましょう!
末梢静脈路
末梢静脈路は、看護師でも穿刺・留置ができます。
感染対策上原則として72時間ごとに入れ替えが推奨されています。(成人の場合)高濃度の薬液は血管痛や血管炎症が起こりやすく、薬剤の血管外漏出による皮膚損傷が問題になります。
また、不穏やせん妄によって自己抜去のリスクが高いと言えます。
中心静脈カテーテル
中心静脈カテーテルは、鎖骨下静脈、内頸静脈、大腿静脈などの太い静脈にカテーテルを留置します。
医師が穿刺、留置を行います。ある程度の長期間留置が可能です。(ガイドライン上何日とは決まっていません)抗がん剤や高カロリー輸液、カリウム製剤など、末梢静脈路では投与できない薬剤を投与できます。
輸液ルートなどの投与経路が汚染され細菌感染を起こすと、重篤な血流感染を起こすリスクがあります。自己抜去による、カテーテルの体内遺残は、取り出しに手術が必要となることがあります。
CVポート
CVポートは、皮下に植え込み手術を行います。
抗がん剤や高カロリー輸液、カリウム製剤など、末梢静脈路では投与できない薬剤を投与できます。
穿刺針で体外から皮下穿刺をしますが、痛みは少なく、CVポートは破損や感染が無い限り、半永久的に使用可能です。
ポートは完全に体内植え込みのため、自己抜去される危険性がありません(穿刺針は別)。入浴も保護なしで実施できます。
CVポートはどんな患者さんに必要?CVポートの適応は
CVポートは、中心静高カロリー輸液、抗がん剤の投与経路として一般的となっています。
末梢静脈路、中心静脈カテーテルと比較したメリットのうちもっとも大きいものは、在宅患者さんの点滴投与経路として有効なことです。
末梢静脈路、中心静脈カテーテルは留置しておくと、ルート類の緩みや解放により出血がおこったり、自己抜去や感染のリスクが大きいのです。
CVポートは、血管ではなくポート部分を穿刺し輸液を行います。
そのため、手技が簡単で出血・神経損傷・感染の危険性が圧倒的に少ないのです。そのため在宅患者さんに適しています。患者さんが自分で抜針することも可能です。
CVポートも完全ではない!起こりえる合併症は
閉塞と感染が主な合併症です。
CVポートの閉塞は、CVポート自体の破損や、血栓による閉塞が原因です。閉塞が起こると、輸液剤が皮下に漏出し重大な障害を起こす可能性があります。感染は不潔な手技や、ポートのフラッシュ不足によって起ります。
閉塞や感染を起こした場合は、CVポートの取り出し手術が必要となります。
まとめ
いかがでしたか?
ちょっと分かり難いCVポート。患者さんが受けるメリットを知れば、看護のポイントもつかめるようになってきますよ。
具体的なケア方法や合併症については別の記事で解説します!ぜひ併せて読んでください!