【体験談】主任看護師は辛い!仕事がキツい、辞めたいと思う瞬間
看護師は働く場所を問わず、基本的には組織として成り立っています。師長の上には副看護部長、看護部長など、看護部門を統括する存在があり、組織を束ねています。
組織の最小単位である病棟では、師長だけでは管理に目配りが行き届かないため、現場を取り仕切り師長を補佐する「主任」というポジションが置かれているところがほとんどです。
名称は、主任、係長、副師長など様々ですが、この記事では主任でまとめます。
実は主任を任されている看護師さんからは、「辛い」「主任辞めたい」「仕事がキツい」という相談が寄せられることが多いのです。
実際の事例から、看護師主任の辛い実情を探索してみましょう。
<おすすめ記事セレクション>■部署異動と同時に主任へ昇格した場合、どんなことが辛いのか
看護師が主任へと昇格する場合、部署異動とセットで任命されることは珍しいことではありません。慣れ親しんだ病棟を離れ、他の部署で、主任としての一歩を踏み出すわけです。
整形外科病棟のスタッフ看護師から、主任として消化器外科病棟へ部署異動になって1ヶ月の看護師Aさん、実際の声を聞いてみましょう。
この昇格と異動を受け入れたことを本当に後悔しています。
初めは、新しい分野を勉強しながらスタッフ看護師の信頼を得られるように頑張ろうと意気込んでいました、実際にこんなに辛いとは思っていませんでした。
1番辛い事は、現場レベルの知識や看護技術が他のスタッフ看護師に追いついていない事です。整形外科の事なら誰よりも分かっているつもりですが、消化器外科の事はまだまだ勉強中です。
そのため、スタッフ看護師からは「こんな事も知らないの」と信頼されず、医師からは「ホントに主任なの」と嫌味を言われ心が折れそうです。
もちろん、現場で指導を担当するどころか教えてもらう立場という情けない状態です。
師長も助け船は出してくれません。消化器外科看護師として学ぶことだけでもいっぱいいっぱいで、主任としての働きができていない事も申し訳なくて、辛いです。
新しい分野を学びながら、周りからは主任として見られることのツラさが伝わってきます。主任は現場を知っていることや、スタッフと同じ動きが出来ることが求められているようですね。
では、慣れ親しんだ部署で主任に昇格した場合は、辛い事は無いのでしょうか。実際の声を聞いてみましょう。
■スタッフとして働いてきた部署で主任へ昇格した場合、どんなことが辛いのか
看護師がスタッフとして働いてきた部署で、主任として昇格することもあります。人間関係が構築されており、業務になれている部署での主任昇格は、辛いことなどないように思えます。
しかし、スタッフ同士の人間関係から、主任対スタッフに変化することで、悩むこともあるようです。
循環器病棟で長年スタッフとして勤務してきた看護師Bさん、前主任の退職に伴って主任に昇格し3ヵ月が経過しました。実際の声を聞いてみましょう。
スタッフと和気あいあいと仕事していた頃が遠い昔のように思えて、寂しく感じます。
一緒に働くみんなの事は良く知っているし、循環器病棟の仕事にも慣れているので、主任に昇格したところで何も変わらないと思っていました。
実際には、医療安全面や感染対策面など様々な視点で、スタッフの出来ていないところを指摘して改善を促す役割になったため、スタッフに言いにくいことも言わなくてはならずギクシャクしてしまいました。
休み時間に、病院に対する不満とか、師長さんの作る勤務表に文句を言って盛り上がっていたものでしたが、今は出来なくなりました。スタッフ同士の飲み会にも誘ってもらえなくなりました。
スタッフ看護師からは「昨日まで自分たちと同じだったのに、主任に昇格したら注意かよ」と思われているのかも知れません。主任として頑張らないと、という気持ちだけが空回りしてしまい毎日辛いです。
主任看護師は中間管理職です、上層部からの指示や命令を現場に伝えたり、教育することが求められます。スタッフに言いにくい事を伝えなければならない場面もあるでしょう。
主任としての立場と、スタッフとの関係に悩むこともあるようです。
■看護師が主任になって痛感、主任看護師は忙しい
主任看護師は、スタッフとしてのスキルと、現場監督、師長補佐の役割が求められています。中間管理職でありながら、管理業務を行う特別な時間は確保されておらず、あくまでの現場での仕事をこなしながら主任としての役割を担うことが求められています。
つまり、多忙ということです。
「主任がこんなに忙しいとは思わなかった」という新人主任看護師の声は良く聞きます。
各種会議への参加、意見のとりまとめ、新人受け入れの準備など、様々な任務とスタッフ業務を並行してこなすことは大変なことでしょう。
しかも、スタッフの困りごとや悩み、苦情の窓口になることもあります。師長に言いにくい事も、主任になら話せる、というスタッフも少なくありませんか。
■看護師主任が辛い理由、まとめてみました
□とにかく忙しい
スタッフ業務と主任業務を並行してこなさなければならない上に、主任業務は特別な時間を設けてもらえないことがほとんど。休日も持ち帰りの仕事に追われることも多いようです。
□スタッフ看護師としての確かな技術や知識が求められる
技術や知識が未熟な主任看護師に、相談したり意見を求めたりするスタッフは少ないと言えます。看護師として尊敬できてこそ主任として認める、という風潮が濃厚です。
□主任のくせに、という目で見られる
主任のくせにこんなことも知らないの?主任のくせにこんな簡単なミスする?というように、周囲の目は厳しくなります。医師からの要求も高くなりがちです。常に緊張感が求まれるとも言えます。
□スタッフ看護師に言いにくいを言わねばならない
同僚だった看護師に対しても、管理職として言いにくい事を言わねばならない、これは精神的に辛いのです。同じレベルで愚痴を言い合えないこともストレスが溜まるかもしれません。
このように、主任看護師は辛いことが少なくありません。
しかし、主任とスタッフからの信頼を獲得し、スタッフ業務と主任業務の両方をスマートにこなせるようになったとき、非常にやりがいのあるポジションになると思います。
前述したA看護師は、消化器外科看護師としての技術・知識を磨く、B看護師は主任として自信ある態度を身に着け、スタッフ看護師達との新たな関係性を築くことで辛い気持ちを克服していくことでしょう。
■まとめ
主任看護師は、大変です。忙しい上に正確な仕事が求められ、言いにくい事も言わなくてはなりません。
辛い気持ちを乗り越えるために必要なことや課題がはっきりしていれば良いのですが、漠然と悩んでいる主任さん、是非この記事を参考にして頂きたいと思います。