気胸の種類と胸腔ドレーン観察項目とは

気胸の種類と胸腔ドレーン観察項目とは

多くの新人看護師さんが、「胸腔ドレーンって難しい」と感じているようです。胸腔ドレーンとチェスとドレーンバックは、「患者さんの肺」のそのものです。そのため、操作を誤ると、重篤な合併症を起こしやすいといえます。

胸腔ドレーンの適応は、胸郭内手術後、気胸、緊張性気胸、開放性気胸、血胸(けっきょう)、血気胸(けっききょう)、胸水貯留などです。今回は、頻度が高く、緊急性も高い「気胸」の胸腔ドレーン看護師について解説していきます。

胸腔内は陰圧、すなわちドレーンバック内も陰圧が必要

胸腔内の空気(肺が破れて漏れ出した空気)や胸水、血液を体外に排出していきます。胸腔内は陰圧の閉鎖環境です。気胸発生時は、肺の一部が損傷し胸腔内に空気が漏れ出します。そのため肺が収縮し、呼吸障害を起こします。

そのため、気胸を発症すると、激しい胸部の痛みと呼吸困難を起こします。損傷した肺側の胸腔にドレーンを留置し、胸腔内に漏れ出た空気を回収し、胸腔内の陰圧を保持することで肺を再拡張させます。

気胸の種類とは

気胸は4種類に分類されます。「自然気胸」、「外傷性気胸」、「生理による気胸」「続発性自然気胸」です。

自然気胸は、気胸の中で一番多い病態です。その名の通り、誘因なく自然に発症します。30代くらいまでの若年やせ形男性に多く発生します。原因ははっきりわかっていません。何度も繰り返す人もいます。続発性自然気胸とは、肺がんなどの原疾患がありそれによって肺が損傷し、起こる気胸の事です。

外傷性気胸は、胸部に強い圧迫を受けて起こります。交通事故によるものが多いと言われています。医原性の原因としては、中心静脈カテーテル挿入時の誤穿刺等による気胸があります。また、陽圧換気である人工呼吸器装着時の、気道内圧上昇による気胸もあります。

生理による気胸は、「月経随伴性気胸」と言います。迷入した子宮内膜症により横隔膜に穴が開き気胸を発症します。頻度は稀です。

胸腔ドレーンとバックの観察・管理

①陰圧の設定圧

指示された、陰圧に保たれているかを良く確認しましょう。例えば「-10㎝」という指示であればその通りになっているか、という事です。電動で吸引圧を設定するタイプと、蒸留水をバックの吸引圧設定ボトルに入れる手動タイプがあります。

②呼吸性移動があるかどうか

チューブ内の排液と水封室の水面が、患者の呼吸に合わせて動いているかどうかです。吸気で、水面が上昇、呼気で低下する場合は、患者の肺とチューブ・バック内の気密性が保たれ院アルになっているという事です。この動きが無い場合は、どこかで空気が漏れている可能性があり危険です。

③エアーリークがあるかどうか

気胸による胸腔内への空気の漏れを表しています。水封室に気泡が発生している場合、エアーリークありです。エアーリークがある間は、ドレーンは抜去できないという事になります。

④ドレーンの屈曲・閉塞・接続の緩み

患者さんの身体から、バックまで全体を確認します。

⑤穿刺部の状態

マーキング部分からのずれが無いか確認しましょう。発赤やかゆみ等の感染兆候は、すぐに医師に報告が必要です。

胸腔ドレーン抜去の目安と、抜去時の注意点

気胸による胸腔ドレーン留置後の抜去ポイントを解説します。

条件として、
① 呼吸等の症状が無く、バイタルサインが安定している
② 胸腔ドレーンバックの呼吸性変動があり、エアーリークが無い。
③ 胸部レントゲン上肺の再拡張が見られる。
④ ①~③を満たし、クランプテストでも呼吸苦等が無い。

胸腔ドレーン抜去の介助時に大切なこと、それは、ドレーンを抜去する時に患者さんに「呼吸を止めておいてもらう」ことです。通常、ドレーン抜去と同時に、穿刺部位を縫合処置できるようにスタンバイしています。

ドレーンを抜くときに、患者さんが息を吸い込むと、刺入部から大気が逆流してしまいます。必ず、出来るように事前の説明が必要です。

まとめ

いかがでしたか?胸腔ドレーンの看護は、チェック項目が多く、操作にもかなり熟練が必要です。

今回は気胸に特化した内容にしました、胸腔ドレーンの目的によって観察項目も変化します。ポイントを抑えて看護できるよう、ぜひ参考にしてください。

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